研究者を職業としてみた場合に、優秀か否かというランク付けは通常しません。この理由は、研究が不連続点を内包しているためです。例えば、何年も鳴かず飛ばずだった研究者が、突然大きな発見(セレンディピティといいます)をすることで大きく評価されることがあります。一方で、「優秀ではない」研究者は明らかに存在します。研究そのものに対する姿勢が真摯でなく、剽窃や捏造、思い違いなどで不適切な結果を(しかも多くの場合には頻繁に)発信する人物を指します。論文の引用数についても、このような不適切な発信を行った論文は、却って多くの引用数を獲得可能です。この点からすると、優秀というのが勤勉さのような指標で評価されそうですが、実際には新しい発見や開発実績がなければ評価されないというのが実情です。なお、論文の引用数についても分野によって異なり、素粒子理論の学者からは「真理に迫った論文の先には研究はもはや存在しないので、引用数は増えない」との意見も聞いたことがあるため、引用数はすべてではないでしょう。

1 year ago

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