杉本憲彦:優秀な学生さんと同じで、評価軸がたくさんあるため、論文の引用数がすべてではありません。また、研究者の年代でも変わってくると思います。
私が若手で優秀な研究者だと思うのは、コンスタントに良い雑誌に主著で論文を掲載していて、その方しかできないオリジナルな研究を継続している方です。そういう方はだいたい、学会から若手賞をもらいますね。
中堅以降になると、上記に加えて、国内外を含めていろいろな方と共同研究をしていたり、研究費を安定的に獲得していたり、学会の運営や雑誌の編集者などで研究コミュニティに貢献していたり、というのも大事な要素になってきます。
優秀な研究者は優秀な教育者ではないことも多々ありますが、私の個人的な感覚では、総合的な指標で見て、教育もきっちりしていて、研究以外でも様々なところで活躍している方に、優秀な研究者かつ教育者として憧れます。
他の方も書かれているように、論文の引用数は分野で大きく変わります。その分野内で尊敬されている方は、少なくともその分野で優秀な研究者だと思います。