哲学全般の入門書ということなら、私の本ではありますが『世界が面白くなる!身の回りの哲学』(あさ出版)を読んでみてください。まさに身の回りの物事を切り口に、様々な哲学を紹介しています。スピノザの入門書ということなら、できるだけ簡単なものから入るのがいいでしょう。スピノザは難解な部類に入りますから。その意味ではNHK100分de名著のテキスト『スピノザ「エチカ」』が一番薄くて、わかりやすいです。解説者はスピノザの専門家國分功一郎さんです。その國分さんの書かれた新書『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』 (講談社現代新書)もお勧めです。現代的意義を意識した記述が、生き生きとしたスピノザを感じさせます。國分さん以外で入門書としてお勧めなのは、スピノザ研究の大家といってもいい上野修さんの解説書でしょうか。『スピノザの世界―神あるいは自然 』(講談社現代新書)あたりがいいと思います。ほかにも、スピノザの人生も同時に知りたいという場合は、人生と思想を1冊にまとめたシリーズ工藤喜作著『人と思想 スピノザ』(清水書院)もいいと思います。そのうえで、ぜひスピノザ自身の言葉、つまり古典にも触れてみてください。『エチカ』(岩波文庫)か、『神学・政治論』(光文社古典新訳文庫)がいいと思います。いずれも2巻に分かれています。最初は理解できなくても問題ありません。自分の成長とともに、だんだんわかってくる。それが古典の良さでもありますから。

1 year ago

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