転職に関する質問です。

「石の上にも三年、まずは三年間新卒入社した会社で働くべきだ」という考えをもった人がいると思います。確かにアルバイトや短期インターンシップしか参加していない多くの日本学生にとっては、社会人としての最低限の振る舞いやマナーを身につけるという点では、しばらくは入社した会社で勉強するのがよいというのは分かります。また、転職するにしても日本企業の多くは就業年数が少ない人を敬遠する傾向があることも知っています。

そこで、私が質問したいのは以下の二点です。

①実際のところ外資系企業でも石の上にも三年的な理論は存在するのでしょうか。

②博士課程で新卒入社した場合、ストレートでも入社時27歳、3年後は30歳になっています。このような人でも石の上にも三年理論は考えるべきでしょうか。

まず「石の上にも3年」というのは「3年は続けないと重要な事を理解できない」という事を一般化した表現ですが、3年も時間をかけて情報を集めなくてもこの高度に情報化した社会では誰かが率先してSNS等でネタバレを連発してくれるのでほぼ無意味と言って良いです。

また「3年間は苦境に耐え忍ぶ事で精神力や忍耐力を鍛える事ができる」という解釈もできますが質問者さんは博士後期課程を経て新卒入社する前提を置いていますので、博士後期課程で充分精神力と忍耐力は磨かれたのでなお一層関係ないと言えると思います。

外資企業ではキャリアを年数のみで見ることはしません、ですが達成事項に関してはシニアになるほどシビアに見られていく傾向があります。履歴書を見るとジョブを転々としている人が珍しくない中で「成果が出ないので延々とジョブホッピングをしている人」を確実に区別したいからです。外資系企業とはいえやはりチームワークで何らかの仕事を成し遂げる事を期待するのですから、成し遂げる前に退散してしまいそうな人を望んで雇用したい人はいません。

ですので「3年在籍したか」ではなく「在籍中何を成し遂げたか」に重点をおいて履歴書を確認されます。すべての職歴において輝かしい実績を残さなくても良いですが、何も成し遂げずに職を離れる場合は何があったのか面接で訊かれる事を想定する必要がありますし、そういう経歴が続いている人はジョブホッパーとして敬遠される事もあるでしょう。そういう意味では多少のミスマッチは我慢してでも実績が残せる所までは歯を食いしばって働く、言い換えれば石の上に座り続ける選択肢もおかしい話ではありません。

1 year ago

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Past comments by 熊崎 宏樹
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