魚介類のミニマル料理を提案するのはとても難しいです。

生のまま醤油つけるだけでおいしいですよ!→知ってた

調味料は塩オンリーで焼くだけでおいしいですよ→知ってた

となるからです。

そんなわけで『ミニマル料理』で取り扱うことはいったん諦めました。そもそもそれ以外でページがいっぱいいっぱいになったから、ということもあります。

 

しかしそれでも、ネタは着々と貯めてもいます。せっかくなのでそのひとつを。

「茹で魚」です。これを、「焼き魚と煮魚に次ぐ第三の選択肢」として提案します。

作り方は、3%の塩水を沸かし、そこで魚を茹でるだけです。頭とワタだけを取った小鰯が一番おすすめですが、わかさぎ、きびなごなどの小魚全般いけます。さんま、サヨリ、太刀魚などのぶつ切りもおすすめです。

それを生姜のみで食べますが、元がミニマルなので、中華でも欧風でもエスニックでもなんでも展開可能です。

ちなみにその応用で、個人的に好きすぎて何度も作って食べたのが「10秒ヤリイカ」です。名前の通りです。

 

この「茹で魚」は、石川県の郷土料理です。しかし以前に金沢でリサーチした時は、ほとんど誰も知りませんでした。おそらく漁村で売り物にならない雑魚を食べる、名もなき料理だったのではないでしょうか。

僕も初めて知った時は、なんというか虚をつかれる思いで、衝撃を受けました。しかしこれは要するに「巨大化した釜揚げシラスである」と考えると納得がいきました。

そしてこれは、案外面倒な焼き魚よりずっと気軽だし、煮魚のように技術レベルで仕上がりが大きく変わるわけでもなく、かつその甘じょっぱい醤油味よりもむしろ現代的な味わいなのでは、とも思います。

1年1年更新

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