こんにちは。いつも音声メディアとSNSを楽しませて頂いています。

先日、難病が寛解したというお話の中で、難病は大変だけれども良いこともあり、そのうちの一つは自分の健康に注意が向くこと、と仰っていました。私は喉風邪を引きやすく且つ胃腸も弱く、その程度の体質でも、毎日毎日、今日は喉の痛みが悪化しないか、胃腸の調子が悪化しないかと心配で仕方ありません。これを食べたら調子を崩すのでは、空調で喉をやられないか、など毎日健康のことを考えすぎて、健康のことを考えなくて良い日は来ないものかと思ってしまうくらいです。考えても仕方の無いこと、と頭ではわかっていても、常に不安に覆われていて、旅行が好きなのに旅行行くときに体調崩すのではと心配になり、中止の時のがっかり感を想像してなかなか計画を立てる気にもなりません。佐々木さんはそのようなことはないのでしょうか。以前はあったけれども乗り越えたということであれば、その気持ちの持ちようの秘訣をぜひ教えて頂きたいです。

病気がちの人は、健康への心配が絶えないですよね。そのお気持ちはとても良くわかります。「気にするな」と言われても、実際に体調を崩したり風邪を引いたりしてしまう可能性が高いので、気にしないわけにはいきません。 しかし胃腸が弱かったり風邪を引きやすかったり、虚弱だったりする人って、案外と大病はしないものです。これはわたしが長年、まわりの家族や知人を見ていて気づいた観測範囲の事実です。理由はおそらく、病弱な人は自分の身体の不調に敏感だからでしょう。病気は確率論なので決して大病をしないといいきることはできませんが、病弱の人が大病になる確率は低いのではないかと思います。 逆に「いつも元気!今日も元気に酒飲むぞー」みたいな人は身体に不調があっても「そんなものは仕事すれば吹き飛ばせるぞー」みたいな価値観で誤魔化してしまうので、気づかないうちに大病を患ってしまう人が多い。 わたしが新聞記者のころ、先輩や上司で大病になって長期休職したり時には亡くなってしまうような人がけっこういました(当時の新聞社は激務を激務とも思わない、思わせないような企業文化だったのです)。そういう人たちに病弱な人はひとりもおらず、みんなすごい元気だったのが、ある日突然に入院したり倒れたりして、退場していくのです。恐ろしいことです。 わたしも新聞記者時代は「いつも元気!」派でしたが、とうとう脳腫瘍で倒れ、それで長期休職して最後には職場を去りました。脳腫瘍は良性なので手術で完治しましたが、その後は新聞記者時代の不摂生の余波なのでしょう、潰瘍性大腸炎という難病をはじめ心臓の病気(手術した)や腸閉塞(手術した)、不整脈(手術した)などいろいろやっています。すっかり病院通いに慣れ、おかげで不調があればすぐに先生に見てもらうのが習慣になりました。年中健康診断をしてるようなものです。 病弱なのは心配ですが、「だから大病はしないんだ!」と誇りを持ちましょう。

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