そう言われると大阪は難しいのかもされませんね。名物は数多あれど、そのほとんどはすでに他地域に移出されまくってるので、「せっかくならば他のものを食べねば」となる謎のパラドックスが発生します。

僕が近年ずっと推していたのは「シチュー」です。しかし実際提供しているお店は数軒もなく、アクセスも味もお勧めのお店は最近廃業されてしまいました。そのシチューもそうですが、ローカルフードの真骨頂は、地元の人すらローカルフードと認識していないローカルフードだと思います。

それで言うと大阪には「湯豆腐」もあります。一般的な湯豆腐とは異なり、味の付いただしに豆腐が浸っている居酒屋メニューです。全国的に居酒屋にはだいたい「冷やっこ」がありますが、大阪の(僕が吸い込まれるようなタイプの)居酒屋では、冷やっこは無くても湯豆腐は必ずあります。そしてそれは間違いなくおいしいです。

 

大阪の凄みって、何か特別なものがあると言うよりは、「どこで何を食べてもハズレが無い」ということのような気がします。「絶対うまいと言わせたる」「絶対ガッカリはさせへん」みたいな執念が人一倍強く、またそれを実現する技術的バックボーンがある。その分、人を選ぶピーキーなタイプのおいしさには出会いにくいかもしれませんが、そのことこそが大阪の最適解化モンスターぶりの現れなのかもしれません。

 

なので大阪では、何かこれというピンポイントを狙うより、総合力やボトムラインの高さを楽しむマインドが良いのではないかと思います。だから僕はついつい逆に「さすがにここはまずいのでは」という地雷感のある店にもあえて足を踏み入れることだってあります。しかしその期待(?)は大抵裏切られます。ある意味スリルを楽しんでいるとも言えるのかもしれません。

そういう店に行きまくっているというほどではないのですが、一回だけ本当に頼むもの頼むものだいたいまずい店に出会えたことがありました。ちなみにそこでも湯豆腐はバッチリおいしかったです。

27日

利用規約プライバシーポリシーに同意の上ご利用ください

イナダシュンスケさんの過去の回答
    Loading...