残念ながら私の読解力では,質問者の方が上の質問文で何を想定しておられるのか,をうまく汲み取ることができませんでした.
一般に,統計的推論には原理的な限界が存在する.統計的な物理理論(確率熱力学,統計力学,量子力学等)については,同様の制約が存在する
同意します.統計的推論にかかる一般的な制約が,統計的な物理理論〜物理法則に対して強い拘束条件として働いていると思います.
物理系の自由度〜次元数が増加するほど,統計的推論の難しさは増加する
物理系の自由度〜次元数が増加するほど,統計的推論の難しさは増加する傾向は確かにあると思いますが,予測対象や推論の設定次第では,むしろ自由度〜次元数が増加するほど,予測が簡単になる場合もあると思います.例えば,理想気体を構成する粒子1つ1つの軌道を計算することは困難ですが,全体のエネルギー分布や圧力等を予測することは簡単にできますよね?
エーレンフェストの定理のように,偏差を無視して期待値だけ扱っても現実世界での推定は問題ない
エーレンフェストの定理は,私の好きな定理ですが,この定理はシュレディンガー方程式から古典的な運動方程式を導出する道筋の1つを与えてくれます.偏差を無視して良いかどうかは,物理系の設定によりますね.ブラウン運動のような確率的な揺らぎ,波動関数で記述される量子ゆらぎ等をミクロ系(物理量の変化速度は速い)として扱い,観測者(人間)がアクセスできる実験装置等をマクロ系(物理量の変化速度は遅い)として扱う場合,観測者(人間)には高速で変化し続ける揺らぎ〜偏差は捉えられず,期待値の変化しか実験的に識別することができない,等々の設定を作ることはできます.
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