とりあえず女性の労働力率のデータによると、日本と韓国とを比べると、65歳以下のすべての年齢層で日本が韓国を上回っています。日本と台湾とを比べると、25-39歳では台湾の方が労働力率が高い一方、40歳以上では日本の方が労働力率が高いです。トータルでは日韓台で女性労働力率は似たような数字です(ただし韓国は65歳以上女性労働力率でもっぱら稼いでおり、これは年金等の制度の不十分さからくる側面(=男女とも老後も働かないといけない)もあるので、日台と韓はやや違う状況とも言えます)。

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女性の年齢別労働力率_18カ国 | Data | Global Market Surfer

国際機関やインテージグループが持つ各種データを基に作成した、データ閲覧機能。

https://www.global-market-surfer.com

質問者の方がなぜ日本と韓国・台湾とで女性の社会進出に差があると感じるのか分かりませんが、もし韓国・台湾の方が優れていると感じるなら、それは単に「隣の芝は青い」効果、日本の方が優れていると感じるなら、それは単に「自国びいき」効果かもしれません。

韓国・台湾と日本の差異をもう少し挙げるなら、前者二国は大統領制なのに対し、日本は議院内閣制であることは指摘できます。大統領制の方がただ一人のカリスマ性や人気で選出可能なので、良くも悪くも「これまでのスタンダードから外れた候補」が選ばれやすいです。もし韓国・台湾で女性の大統領が出現しているのに対し、日本で女性首相が実現していない点を考えるのならば、こうした制度的差異は一つの理由となるでしょう。

逆に韓国・台湾には性役割分担が強化される大きな要因があります。それは徴兵です。韓国は北朝鮮、台湾は中国との戦争の可能性を抱えているので、徴兵を行い軍事訓練をする必要があります。徴兵は男性にのみ課されるものであり、また軍役は「男性が闘う/女性は庇護される」という役割分担を否応なく再現します。そもそも兵役は一方の性にのみ課されるので、それに関してどのような処置をしても、否応なく男女の性差を制度的に際立たせるものにはなります。

2023/10/10投稿
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