酒ではなく食事主体の「ちょうどいい和食」、ほんっと空白地帯だと思います。1000円そこそこの価格帯なら選びきれないほどわんさかあり、予約が必要な5000円以上もちゃんと一定数ある。なのにその中間があまりに少ない。たまにあってもそれは単に1000円そこそこのが品数だけ増えたものだったりしますね。

じゃあそこがブルーオーシャンなのかと言うと、決してそんなことはありません。僕のこれまでの経験上、そのゾーンの商売は難しいです。そこは、寿司、うなぎ、天ぷらといった単品専門店系にほぼ持って行かれるからというのも大きいと思います。 

じゃあどうすれば「ちょうどいい和食」に出会えるのか。まず狙うべきはターミナル駅の駅ビルや百貨店のレストラン街かと思います。そこでもやはり単品系専門店や品数増えただけの普通の定食が幅を利かせていますが、街場に比べるとまだ出会いやすいはずです。

 

「ちょうどいい中華」は、上流から降りてきた存在です。それに準えるなら、ちょうどいい和食は懐石/会席などの高級日本料理が簡略化などによりコストダウンされたものと僕は捉えています。街場の個人店の割烹がそれをやるのは確かに悪手ですから、それを求めるなら商業施設の資本系の店で、というのが要するにここまでの話です。

会席の簡略化というと真っ先に出てくるのは「松花堂弁当」です。しかしここにも罠があります。いや、罠と言うよりこれは個人的な好みの話でしかないのかもしれませんが、クオリティはともかく構成内容がそそられないものであることが多いのです。

松花堂弁当は4つの枠で構成されています。そしてほとんどの場合、その内の2枠は決まったように「刺身」と「天ぷら」で埋められています。これでは「品数が増えただけの定食」とそう変わらないではないか、と思うのです。

その価格帯で人気のコンテンツに「銀鱈西京焼き定食」もあります。これもちょっとそそられない。こういう一点豪華主義は、鰻などの専門店に対抗しているだけになっている気がします。

 

松花堂も銀鱈も、ほとんどの場合はしっかりおいしく価格分の価値があるんだろうとは思いますし、大方のニーズはそこにあるのでしょう。ただそれらはノットフォーミーです。

「豆腐専門店」や「とろろ専門店」だと、刺身、天ぷら、銀鱈は排除してくれていることが多いので狙い目ですが、ちょっとピンポイントすぎてアクセスがいいとは言えませんね。 

アクセスの良さまで加味すれば、結局のところ、デパ地下の2000〜3000円の和食弁当が求めるものに最も近いのでは、とすら僕は思っています。

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