イナダさん、ハイミーの使い方を教えてください。

私たち夫婦は、お互いに味の素的なものがない家庭に育ち、そのまま使わないまま結婚して子供を産み、料理歴20年ぐらいです。揚げ物以外は和洋中何でも作ります。平日は適当に、週末は豪華な晩御飯を作ります。ホットクックを活用し、夫は計量も味見もする派、妻は計量も味見もしない派です。

食べることが大好きで、外食も家での食事も大好きです。

こだわりが強いタイプのグルメではないので、単に今まで触れる機会がなかっただけで、特に味の素に対する抵抗感もなく、ある日突然味の素を買って使ってみようと思い立ったのですが、イナダさんがハイミー派ということでハイミーを買ってきました。

めんつゆ、白だし、顆粒中華だし、コンソメ等は普段使いしてますので、普段から人工的な旨味成分は料理に取り入れていますが、旨味単体で使用したことがないのです。

ハイミーを使うべき料理や状況、使わない方が良い料理や状況を教えてもらえませんか?

僕は家で和食を作る時はまず何も考えず「だし」を引くところからスタートするのですが、たまにあえてそれをすっ飛ばす時に使うのがハイミー、という感じです。

ただ実際にそういうことをするのは月に一度もありません。なぜならやはり日常はあくまでだしがデフォルトであり、ハイミーがだしを上回る料理はそんなに無いからです。

ただもし僕がだしを引くことを億劫に感じたりするのであれば、代用としては、麺つゆや白だしよりはハイミーかなとは思っています。

 

実際の使い方としては、まず1リットルの水に1gのハイミーを溶かし、これを「ハイミーだし」とします。クセや雑味も無い代わりに風味も無い、特殊なタイプの一番だしと思ってもらえればOKです。

後はこれに醤油やみりんなどでアタリを付け、野菜を煮るのが基本です。野菜以外に揚げなどの豆腐製品や、こんにゃくも合います。要するにそれ自体からはあまり強いうま味を放出してくれない素材の調理に使うということです。

逆に言うと、魚介や肉、特に鶏肉を一緒に煮るのであればハイミーだしではなく「水」でいいケースがほとんどです。例えば筑前煮や豚汁ですね。しかし、肉じゃがやおでん、鍋ものあたりになると、やはり水よりハイミーだしの方がいいだろう、という判断をすると思います。ニュアンス伝わりますかね?

だしがあったとしてもむしろハイミーだしを使う、という判断も稀にあります。ありますと言っても僕は今のところふたつしか発見できていないのですが、それはモツ鍋スープと筍主体のお煮しめです。

 

いずれにせよハイミーだしはそれ自体ではのぺっとした味なので、何かを煮ることで様々な風味が溶け込んで初めて味として成立すると考えるのが大事です。なので、お吸い物やうどんつゆにはさすがに厳しいということになります。

 

使い方に慣れてきたら、いったん完成させた料理の味を見ながらそこに微量のハイミーを加えて味を整える、という昭和の主婦や板前さんのような使い方もできますが、これははっきり言って高度なスキルです。ただまあ多少入れすぎてもそうマズくなるわけでもないので、そのあたりはむしろ、ポリシーとか美学の話かもしれません。この使い方は、スープから作るお家ラーメンでは絶大な威力を発揮します。

 

昭和と言えば、塩揉みやらおひたしやら冷や奴なんかに上からパラパラふりかけるといういにしえの文化を、ごっこ遊び的に楽しんでみるのも一興です。この種の使い方としては、卵かけご飯だけは遊びでなくガチおすすめです。生卵のぼんやりした風味が、急にくっきりと浮かび上がります。

8日8日更新

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