「大人のQちゃん」の漬け地は、醤油と酢と味醂の同割です。実はこれ古典的な「三杯酢」の配合そのままなのです。なので逆にいえば、酢の物全般に使えるということでもあります。

現代の三杯酢は、醤油の量を減らしたり、ダシで少し伸ばしたりしてやや薄めに作るのが主流ですから、きゅうりの水分で少し薄まった残り汁は、それにもやや近いともいえます。きゅうりも生姜も酢の物では重要なファクターになることが多いので、その風味が移っていることもむしろ好都合。

具体的には「タコとわかめの酢の物」「もずく酢」などにそのまま使えます。シンプルでおすすめなのはトマトの酢の物。このトマトをプチトマトにして湯むきし、しらすでもちょっとあしらえば、なかなか立派なおもてなし料理にもなります。

ごま油を加えるとまさに中華のタレ的な感じになりますね。クラゲ酢や油淋鶏、蒸し鶏のタレなどにも使えます。

 

さて、最後に先回りしてちょっと余計なアドバイスを。

料理を日常的に作るようになると、主に煮物やマリネ系などで、こういった「残り汁」がいろいろ出てきます。

そしてスキルが上がるほど、それをうまく活用できるようになっていきます。質問者さんはすでにその段階に入りつつあるようですね。これはたいへん有意義なことだし、また作る満足感も大きいものです。こういうのも料理の楽しみです。

しかしそうなると必ずやってくるのが、「残り汁を捨てられない」期です。有効活用できたら嬉しい、という段階から、有効活用せねばならない、になってしまうのです。

冷蔵庫には中途半端な残り汁が大小の容器に入って溜まり始めます。食べたいものを作るより、その処分を優先することにもなりかねません。残っているものが今日食べたいものとは限らない、という「作り置きの罠」と同じです。

そのうち、どれがいつ作った何の残り汁かわからなくなり、結局全部捨てたりします。罪悪感に苛まれます。

真面目に料理をするほど、この時期は必ずやってきます。何が言いたいかというと、捨てる勇気とその習慣を最初から待ちましょう、ということです。残すべき残り汁と捨てるべき残り汁を的確に判断し、確実に自分の幸せに貢献するものだけを冷蔵庫にしまいこむ。

日々の料理の中で、これ、わりと重要です。

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