ご愛読ありがとうございます。
私は作家になった時点から、自分が書く小説のテーマとして「時代と人」というものを掲げてきましたので、どういう作品を書く場合でも、その時代と、その時代を生きる人というものに目を向けたいと思ってきました。
ですから、ニュースはよく見る方だと思いますし、テレビでも本でも、ドキュメンタリーやノンフィクションのものを読むことが多い方だろうと思います。ある意味でX(旧Twitter)なども、その時代の人たちの言動や興味の方向などを知る役割をもっていると思うのですが、正直なところXに限っては、どうしても動物の動画ばかり見て心を癒やされることが多いのが本音でもあります。
取りたてて勉強などというものはしていませんが、自分が張っているアンテナに引っかかる文言や出来事などが会った場合、それをキーワードにして本を探したりするところから、すべてが始まる場合もあります。また、ある意味で特殊な世界、業界などの場合は、その周辺をウロウロと嗅ぎ回っても、なかなか中までは届きませんので、違う方法で取材を行います。
色々な作家がいますが、私は旅好きということもあって、比較的、現場主義の部分があります。自分の目で見て、手で触れて、人に会って、感じたところから何かを始めるという場合が少なくありません。そこから先、本を読んだりさらに人に会ったりしますので、取りかかりから執筆を始めるまでに非常に時間のかかる場合があり、構想から大体、5年くらいでようやく本になったというものが少なくないのが正直なところです。
とにかく何も分からないところから始めるわけですから、選んだつもりで読んだ本でも無駄(というか、自分の希望に添わなかった)ということも珍しくないですし、かなり遠回りをしているのかもしれません。そんなわけで、私の「情報や本の選定方法」というのは、ひと言で言うなら「かたっぱしから」ということになるかもしれません。