インドネパール店のビリヤニと一言で言っても様々ですが、質問者さんがおっしゃっているような方法で作られているビリヤニが存在してもちっともおかしくないと思います。ただしそれは(解釈の仕方にもよりますが)「略式」というよりは、正当なパッキビリヤニと言って良いものだと思います。

古い洋書のレシピ本で見るレストランでのビリヤニ調理法は以下のような感じです。

①バスマティライスに塩、油脂、少量のホールスパイスを加えて(固茹でではなく)普通に炊き、2〜3色のフードカラーで部分的に色付けする

②加熱調理済みの肉と汎用カレーソース(ボイルドオニオングレイヴィ)を合わせてカレーを作る

③皿に②を盛り、①で上から覆って提供

 

工程①で完成するものは、単体で「プレーンビリヤニライス」としてライス類のコーナーにホワイトライスなどと共に載ることもあります。これとカレーを一緒に頼めばビリヤニと同じことではないか? と思われるかもしれませんが、だいたいその認識で合ってます。

工程②はつまりそういう店の標準的なカレー作りのメソドですが、ビリヤニ用のそれはより肉が多く、セミドライに近い仕上がりと思われます。

工程③は他にもいくつかバリエーションがあり、これとは逆に米の上にカレーを乗せるパターンもあります。日本人的感覚だと、それはもはやビリヤニではなくカレーライスでは?となりますね。

壺型の容器に重ねて入れて、蓋をしてタンドールで加熱する、というちょっと手の込んだ仕上げ方もあります。タンドールは高温なので、じっくり蒸し焼きというわけにはいきませんが、これでぐっと本来のビリヤニに近づきます。蓋の代わりにナン生地を乗せて焼くプレゼンテーションもあります。これはアガりますね。

フライパンでカレーとプレーンビリヤニライスもしくはホワイトライスを炒め合わせる手法もあります。日本に最初に伝わったのはコレですね。バスマティライスじゃないと「上から被せる」は難しいので、日本米前提だとこの方法が適しているということでしょう。

ただし「米の上にカレーをのせる」も一部の店に伝わって、今も僅かに残っているようです。ますますもってカレーライスですが、そういう店に遭遇したらそれはもはや文化遺産なので、どうかお大事になすってください。

 

さてこういった「プレーンビリヤニライス」を使ったメソドが現代のインドネパール店でどの程度採用されているかはちょっと分かりませんが、少なくとも「壷焼き」の方法は、キャセロールなどを使って日本の家庭でも取り入れやすく、ほぼ違和感なくビリヤニとして楽しめるのではないかと思います。普通のオーブンならじっくり加熱して全体をより馴染ませることも可能ですし。

もちろん質問者さん考案の方法も良い方法だと思います。そしてこれは発想を変えると「どんなカレーもビリヤニ化が可能」ということにもなります。グレイヴィの濃度と量から、それを加熱し続けた際に蒸発する水分量を推定し、その水分を受け止めた半炊きの米が完全に調理されるイメージを作れればOK。難しそうですけど、何度か失敗すれば割と容易に感覚は掴めるはずです。また失敗したとしても、それがビリヤニとして理想的かどうかはともかく、何らかのおいしい食べ物にはなるはずです。

 

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