こんにちは。ご連絡ありがとうございます。

 自分で書いたものの中から何かを「おすすめ」するのは難しいもので、書いている本人は、

今、書いているもの、これから書くものがもっと「おすすめ」出来るものにしたいと思っているものですから、若いあなたに何をおすすめしたら良いだろうかと考えました。

 新潮文庫に「乃南アサ短編傑作選」というシリーズが何冊か出ています。これには、若い頃に書いた物から最近の作品まで、どれも読みやすい短編が収められていますので、最初に手に取っていただくには案外、気易いのではないかと思います。

 また長編では『しゃぼん玉』という作品が、映画化されたりお芝居になったりと、息長く皆さんに楽しんでいただいていますので、「おすすめ」出来るかも知れません。

 直木賞を受賞した『凍える牙』も、そういう意味では息長く読んでいただいています。今から読むと、少し時代的にズレている感じがするかも知れませんが、世の中にまだ「警察小説」という呼び方がなかった時代に、女性の刑事が主人公になっていることで、当時は新鮮に感じていただきました。この女性刑事の主人公に関しては多少のシリーズになっていて、やはり新潮文庫で「女刑事・音道貴子」として何冊か出ています。

 私はずっと同じテイスト、同じシリーズというものを書いていないので、どの部分が読者の方の心にとどまるか、ちょっと分からないのですが、あとはご自分で探してみてください。どこかでお気に召していただければ幸いです。

4か月

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