こういうのは具体的にパーセンテージで言えるものじゃないので、所感と例え話で表現するしかないんだけど、「ようやくパズルの四隅のピースが見つかった」程度かなぁ?

パズルを組み立てる時には、まず端のピースを見つけてから中を作るだろうし、四隅のピースは位置の決めやすさでは最も分かりやすいピースだよね?一方でパズルという完成品を考えると、中心に書かれた絵図のごく一部が描かれていれば運がいい方で、無関係の背景しか描かれていないことも多いよね?

現状の物理学はまさにこんな感じ。私たちは17世紀に提唱されたニュートン力学から物理学を理解・構築したけど、これはあくまで近似値を出す理論であることが分かったのは、相対性理論と量子力学が構築された20世紀初頭だね。ただし、相対性理論と量子力学は扱っている世界が違いすぎてて、どちらももう片方の世界をちゃんと記述はできない。なので今でも相変わらず両者の近似としてニュートン力学は現役で使われているよ。

今物理学者たちは、どうしたら相対性理論と量子力学を統合できるのか?というところに頭を悩ませ続けているよ。特に量子力学は複数の理論の総体であるために、既にいくつかの点で欠陥があることが分かっているので、その欠陥を埋めるための理論修正が試みられているんだけど、これが五里霧中・暗中模索と言った感じで、まだどの理論についても正しいことが認められたものはないよ。特にそういう新しい拡張理論で想定される "今までの理論では説明できない未知の現象" というのが見当たらないのが困っているところだね。

ただ今のところ、いくつかの中間子における粒子と反粒子の寿命の違い、Wボソンの説明できな質量ギャップ、μ粒子のg-2の破れなど、徐々に説明できない現象も蓄積しているので、そろそろ新しい理論でダイレクトに予言されている何かが出てこないかなぁという感じだね。それでもあと10年20年、もしかすると半世紀かかってそういう現象がようやく表れる、という感じかもしれないよ。

ただ、ここまでやったとしても、パズルの例えで言えば「端の1辺がほとんど完成した」と言えるレベルにしか近づいていないよ。全てを説明する「万物の理論」は更に数段上に存在するもので、まだまだしばらくかかるだろうねぇ。

1年

利用規約プライバシーポリシーに同意の上ご利用ください

彩恵りり🧚‍♀️科学ライター✨おしごと募集中さんの過去の回答
    Loading...