オーロラが高緯度地域に限られる現象なのは、オーロラがどういう原理で発生する現象なのかという理由と、地球が磁場を持つ天体であることが関連しているよ。
太陽からは陽子や電子といった荷電粒子 (電気を帯びた粒子) が大量に放出されていて、これは「太陽風」と呼ばれているよ。電気を帯びているので、これは磁場によって運動方向が変更されてしまうよ。なので基本的には、地球には太陽風は直接降り注いでこないんだけど、磁場の出入りがある磁極は局所的に磁場が弱いので、その部分だけは太陽風が流れ込んでしまうよ。そうして流れ込んだ高エネルギーな荷電粒子は、大気を構成する分子と衝突し、エネルギーを与えるよ。ただ、エネルギーが与えられた分子というのは不安定で、すぐさまエネルギー、つまり光を出して安定化しようとするよ。この分子のエネルギー放出現象がオーロラという現象だよ。
地球はたまたま自転軸の北極・南極と磁極がほぼ同じなので、高緯度地域でのみオーロラが見える条件が揃うよ。ただ、高緯度地域に太陽風が流れ込むという肝心な部分について、細かいところは現在でも研究中だよ。
そして、確実にオーロラを観る方法、それが分かるなら私は今頃オーロラ観光ツアー会社を立ち上げてるよ!それはジョークとして、オーロラは基本的に珍しい現象であり、いつ観られるのかははっきりとしたことは分かっていないよ。ただ、太陽風によってオーロラが発生するという関係上、太陽風がたくさん放出されている時にはオーロラの発生確率は上がるよ。太陽風は大体の時には安定して放出されているけど、長期的に観れば活動レベルは変化し、時に激しい放出をすることがあるよ。これは細かい現象やメカニズムの違いにより、太陽フレアやコロナ質量放出と呼ばれるね。この発生確率は、太陽の活動周期である11年周期によって変化し、黒点の多い時期は発生確率や規模が上がることが分かっているよ。なので11年周期の最も激しい活動時期ならば観られる確率が上がるよ。そして太陽風は発生から数日かけて地球にやってくるので、毎日の太陽活動報告を見ていれば、太陽フレアやコロナ質量放出の起きた数日後には確率が上がるかも、となるよ。ただしもちろん、これは確率が上がるというだけで、確実というものではないよ。
最後に、オーロラが珍しい現象であることは間違いないんだけど、これは珍しかったからよかったとも言えるよ。激しい太陽風は地磁気との衝突で地磁気を捻じ曲げてしまうよ。すると電磁誘導の影響で金属に電流が自然発生してしまうので、電気で動く全てのシステムは停止するという大混乱が起こってしまうんだよね!例えば1859年に起きたコロナ質量放出は、ハワイ、キューバ、中国、日本の紀伊地方でもオーロラが見えたと記録されており、その明るさはアメリカ北東部では夜中でも新聞が読め、ロッキー山脈の作業員が朝が来たと勘違いして朝食を作った人がいたと言われるくらいだよ。この時には整備されつつあった電報システムが大混乱!鉄塔からは火花が発生し、作業員が感電、記録紙は発火し、電源を遮断したにも関わらず動いていたシステムもあったくらいだよ。同じことが現代に起きた場合、より電力の値に厳しい現代のシステムはより深刻になりうるよ。2012年の試算では、経済的な打撃だけでも2兆ドルを超え、送電網の要である変圧器の交換には何年もかかるから、大変な事態になってしまうよ!