「アイディアを生む」という話だととても一般的で話しにくいので、「本に書く題材をどのように思いつくか」という観点で少し書きます。
まず、話をひっくり返すようですが「思いつく」という意味のアイディアはいくらでも出てくるものです。わたしの場合ですと、こんな本を書きたいな、こういうのを書いたら面白そうだ、といったレベルのアイディアは何百とありますし、考えればどんどん出てきます。でももちろん、その中で「実際に書ける」レベルのアイディアを見出すのはものすごく難しくなります。
どんどん出てくるのはなぜかというと、さまざまな思い込みや常識や実現可能性を度外視して考えるからです。自分の能力や現在の知識などを無視して、あんなのはどうか、こんなのはどうかをいうだけならばいくらでもできます。そして、それをちゃんと記録しておくことが大事です。
しばらく後で、改めてアイディアを出したいときに、その記録を読み返します。そしてその一つ一つを本気で吟味します。自分で実現可能性のあるレベルまで範囲を縮小するとか、一般化をやめるとか、そのような変形を繰り返すのです。そのようにすると、何十個かに一個は「うん、これはこうすればいけるかも!」みたいなものが見つかるのです(運が良ければ)。
それからわたしがよくやるのは、自分が知っていて、当たり前だと思っている簡単な事象を本気で考えてみるのです。「本当にそうなの?」「なぜそんなことが言えるの?」「それは何か別のものと関連づけられないの?」のように考えを進めます。
そのようにすると(運が良ければ)非常に面白いものにぶつかります。見た目は当たり前なんだけど、話が進むうちに新しいものが見えてくる!みたいな話になるのです。
ということで、わたしが思うのは、
前提を取っ払ってたくさん思いつきを記録する
読み返してるこれはと思うものを深く考える
あえて当たり前のことを深く考える
といった方法ですね。