「数学ガール」の関連書籍はたくさん出ているので、迷ってしまいますよね。関心を持ってくださりありがとうございます。数学の理解度や、興味関心の方向性によって「おすすめ」は変化するので、「絶対にこの順番」は紹介しにくいですが、簡単にお話していきたいと思います。

リンク先では無料のWeb試し読みができます

以下ではWebサイトにリンクしていますが、そこには、Webで第一章をすぐに試し読み(Web立ち読み)できる機能がありますので「どんなことが書いてあるのかな〜」と眺めてみるとイメージがつかめると思います。

三つのシリーズにわかれています

まず最初に「数学ガール」は三つのシリーズにわかれています。

  • 数学ガール」シリーズは、幅広く本格的な数学を題材にした物語です(既刊6巻)。

  • 数学ガールの秘密ノート」シリーズは、やさしい数学を題材にした対話形式の物語です(既刊15巻)。

  • 数学ガールの物理ノート」シリーズは、やさしい物理学を題材にした対話形式の物語です(既刊2巻)。

数学ガール

数学ガール」シリーズは厚めで難しい題材を扱っていますけれど、物語成分もまた多くなっています。また巻が進むごとに物語内の時間も進んでいますので、まずは物語を追ってみたいという場合は「数学ガール」は1巻から順番に読んだ方がいいと思います。登場人物も少しずつ増えていきます。

「数学ガール」シリーズは、①(無印)はさまざまな内容を扱っていますが、それ以降は②フェルマーの最終定理③ゲーデルの不完全性定理④乱択アルゴリズム⑤ガロア理論⑥ポアンカレ予想のように興味深いテーマがありますので、それについて読みたい・知りたいという方は、対応する巻をいきなり読んでもかまいません。数学的な内容は巻ごとに完結しているからです。「フェルマーの最終定理」を最初に読む方はけっこういらっしゃるようです。

数学ガールの秘密ノート

数学ガールの秘密ノート」シリーズは、中学生・高校生が気軽に読める対話形式になっていて、「数学ガール」シリーズに比べて数学的にはずっとやさしい内容になっています。こちらは時間順序はありませんので、読んでみたいものから読むといいと思います。

最初の一冊目としてお勧めで、やさしめのものを紹介します。

  • 式とグラフは、秘密ノートシリーズでもっとも薄くて読みやすい巻です。

  • 整数で遊ぼうは、パズルやゲーム風の話題が多いので中学生でも十分楽しめます。

  • 丸い三角関数は、サイン・コサインとお友達になる巻で、非常に人気がある一冊です。

  • 学ぶための対話は、数学が何をやってるかさっぱりわからない「ノナちゃん」という子が登場して、「理解」するとはどういうことかを考えていく巻です。数学的には難しくありませんけれど、なかなか考えさせられます。三角形の合同を考える図形の証明もおもしろいです。

高校生が必ず出会うテーマをしっかり理解するために、微分積分の巻があります。

ベクトル行列数列場合の数確率統計などもあります。

他のテーマとしては、複素数ビットとバイナリーなどがあります。

数学ガールの物理ノート

数学ガールの物理ノート」シリーズは、高校生が学ぶ物理学をテーマごとに扱う対話形式の物語です。

  • ニュートン力学」は質点の力学、運動方程式、万有引力の法則、仕事の原理、力学的エネルギー保存則、ケプラーの法則などが登場します。

  • 波の重ね合わせ」は波というものを数学・物理学的にどのように扱うかをていねいに理解していきます。三角関数の基本から始まって、数式による波の表現、波の重ね合わせと三角関数の性質、音の波、光の波、光の正体を探る歴史的な議論、ホイヘンスの原理、ドップラー効果、そして最後はフーリエ展開までを扱います。

おすすめパターン

ということで、おすすめのパターンをいくつか紹介します。

  • 「数学は得意じゃないけど興味はあります」

    • →「数学ガールの秘密ノート」シリーズの「式とグラフ」をまず読んで、あとは好みのテーマの本を選んでいく。

  • 「数学が何やっているかわからない」

  • 「学校で学ぶ数学にもっと親しみたい」

  • 「数学ガールの物語や登場人物に興味ある」

  • 「数学で話題の大テーマに興味ある」

読者さんの声

他の読者さんがどんな感想を抱いているかは、こちらで読むことができます。学生さんから社会人まで、さまざまな方の声が寄せられています。

以上です。Enjoy!

2年

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結城浩さんの過去の回答
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