まず吐き気や頭痛などは精神医療の分野でしょうから、

文の間違いなどの医療外のお話をしますね。

この部分はフロイトに始まる心理学がとても強い分野ですね。

文の間違いと聞いて思い出すのは「無意識が連想を阻害する」事例です。

テレビである人が(俳優だったか芸人さんが)、突然簡単な連想ゲームができなくなることがありました。

「船」という言葉からの連想でとにかく言葉が出てこない。

1分、2分と経ってようやくその人は「いかり」という言葉を引き出せたようです。

さて、専門書の中ではこれは「いかり⚓️」と「怒り」が結びついてしまい、無意識の力によって言葉が出てこなくなったという説明でした。

こうした事例の対処方法もまた精神医療の分野になってしまいますかね。

カウンセラーさんに「困ったこと」を話せば的確なアドバイスがもらえるかもしれません。

先述の「いかり」の事例は、その人が母親への「いかり」を常に「しずめて」いて、それがとても嫌で連想自体を阻害してしまったと説明されています。

そのためこの場合に限れば解決策は「怒りの原因を解決すること」ですが、これはほぼ不可能でしょう。

強いて言えば「自分は怒りを沈めている」と自覚することで無意識である怒りを意識的な怒りにするのようなお話になるんでしょうが、これもカウンセラーや精神科医の協力がなければまず起こり得ないお話でしょう。

というわけで私の方針は解決を期待するなら精神科かカウンセラーへで終わってしまいます。

なのでここからは解決ではなく理解のお話をしますね。

質問者さんは無意識の大きさに驚いていますが、これは冷静に考えると当たり前のことに思います。

たとえば人はだれでも好き嫌いがあります。

意識的な好き嫌いももちろんあります。たとえば「私はあいつにひどいことをされたから嫌いだ」のような。

しかしむしろ無意識な、「なんとなく好きだ/嫌いだ」ということの方が普通ではないでしょうか。

食べ物のお話なら「味が嫌いだ/好きだ」とみなさん語りますが、”なぜその味が好き/嫌いなのか”と考えるとそれを言葉で、意識的に表現するのは非常に難しいです。

むしろ私達への影響といえば意識よりも無意識の方が多いのではと心理学者は指摘しますが、実際そのとおりでしょう。

なんなら私達は無意識の答えに無理やり理屈をつけることの方が多いでしょう。

「私はタコが嫌いだ。なにがって、食感がだよ。え? イカは好きだよ。 なに、食感は似たようなものじゃないかって? タコが駄目なんだよ。あの赤い見た目も嫌だ。え、りんごは好きかって? もちろん好きだ。

同じ赤さじゃないかって? ……とにかく私はタコが嫌いなんだ」

タコが嫌いという事実が先にあり、それを色々言葉にしている文章ですが怪しいものです。

比較されると「タコが嫌い、理由はわからない」という事実がよりわかりやすくなりますね。

意識/無意識について触れた簡単な本といえばやはり河合隼雄の『こころの処方箋』があがるでしょう。

https://www.shinchosha.co.jp/book/125224/

『こころの処方箋』 河合隼雄 | 新潮社

「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを

www.shinchosha.co.jp

次にNHK100分de名著もあがりますね。

有料ですが、無意識への理解の導入編としては非常におすすめです。

1話が110円で4話編成、440円で見れる内容としては非常に濃いですね。

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2024137762SA000/

100分de名著 フロイト“夢判断” (1)無意識の発見と夢分析 −NHKオンデマンド

月額990円(税込)でNHKの名作見放題!『夢判断』は、人間の「無意識」をひとつの論理的構造体として初めて体系的に記述した書物。当時、身体的な原因をもたない心の病の多発が、執筆の大きなきっかけとなる。

www.nhk-ondemand.jp

以上のような事実や心理学の蓄積を知ると、

むしろ私達は「なぜなんでもかんでも表現したり、理解したり、意識できると思っているのだろう」と、こちらの方が不思議になってきます。

広大な無意識の世界に比べれば意識の世界は氷山の一角です。

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