アメリカの大学でCS。すごいですね、アメリカでもCSの人気は高まってて競争が激しいと聞いています。

数学を勉強していなくてセンスに自信が無いとの事ですが、大丈夫です。僕も数学は実はからっきしで、高校で3Cまで習いはしたのですが合成関数の積分あたりからテストでまともな点が取れなくなりました。大学の微積やら線形代数の授業なんかも参考書の付け焼き刃で乗り切ったに過ぎず、どこまで身についているか怪しいものです。

GAFAMで活躍している人にセンスがある、というのは正しいかも知れませんが、働いている全員にセンスがあるとは限りません。少なくとも僕自身は日々コードを書きながらセンスの無さに打ちひしがれているからです。何かすごいフレームワークとライブラリで動いているのはわかるけれどそのフレームワークの気持ちがまるでわからない、Dependency Injectionされた値がどこで取りこぼされているのか、出力したはずのエラーログが出てこない理由は何か、さっきと同じ手順で投げた同一のクエリの結果がまるで異なるのは何故か、connection refusedというログの裏の理由とは?コンフィグ内の識別子と自動生成された変数とフレームワークの引数が複雑なビルドの向こうで空中合体していることはわかるがそこで起きたコンパイルエラーは何が不満なのか、わからないことだらけの脱出ゲーム状態で試行錯誤しながら日々過ごしています。これは合成関数の積分ができれば理解できるタイプの問題ではなく、フレームワークの仕様や挙動を忍耐強く学んで活用していく事が王道です。これに対して才能がある人というのはおそらくゲームが得意な人なんだろうと思います。僕自身もゲームは人並みに得意なつもりでしたが脳の情報処理能力の限界を日々まざまざと見せつけられるような気持ちです。そうして毎日仕事終わりには「向いてないな…」とか嘆きながら席を立ちます。

さて、才能が無いなら諦めるか、という話に戻すと「才能を理由に諦めるなんてとんでもない」が僕の答えです。僕が持っていると堂々と言えるような才能は「毎日12時間はディスプレイに齧りついていられる視力含む身体的強度」ぐらいのもので、センスとか頭の良さといった観点では常時ついていけなくて悶絶しております。アメリカの大学でCSを学ぶ程に根性があるのであればその時点で僕の学生時代より遥かにアドバンテージを取れています。

微分積分の授業は参考書に齧りついていれば誰でも点が取れるようになりますが、人が後天的に「自分が書いたコードが動いた時に快感を得る」ように鍛錬することはまず無理であり、立派な才能です。「好きな事を仕事にできたら良さそうだし深堀りしてみよう」ぐらいのモチベーションでしばらく没頭し、目安的には10000時間ぐらい使ったあとで改めて考え直しても充分な程にまだまだあなたの人生には時間があります。あなたが就活する頃にはひょっとしたらもうGAFAMではなくもっと魅力的な会社が台頭しているかも知れませんし時代の流れに上手く乗れたらもっと素敵な仕事ができると思います。学んだCSの知識があと50年は無駄になることは無いでしょう。

就活は一期一会ですし現在の情勢でGAFAMに入るには単純な能力ではなくてタイミング良く狙ったポストに空きがあるかのほうが遥かに重大です。僕が入社できたのもひとえにタイミングのお陰でした。時流の流れに積極的に目を向けていきましょう。

4か月

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熊崎 宏樹さんの過去の回答
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