高級店とそれ以外の境目は曖昧で、単純に価格帯で分けるのも難しいので、ここではいったん
予約しないで行く店/予約することがあるないしは必須の店
で分けて、前者を大衆店、後者を高級店としましょう。
さて、大衆店では、一部の例外はありますがほぼ使われていると考えて良いと思います。味の素そのものが店に置いてあるとは限りませんが、顆粒スープや濃縮ダシの形だったりします。特に業務用のプレミックス調味料、つまり業務用のタレだのドレッシングだの、そういうものにはまず間違いなく入っており、低価格店ほどそういうものに頼らざるを得ないので、結果的にそうなります。逆に言うと、そういうものに囲まれているから味の素をわざわざ仕入れる必要は無いと考える店も少なくないと思います。冷凍の揚げ物とかにも入ってますしね。
むしろ手作り、店内調理の比率が高い方が味の素そのものを使う、みたいなところもあるでしょう。
高級店になると、確かに使わないところも増えてくると思います。ただしこれはジャンルによっても大きく異なります。中華や東南アジア系だと排除は難しいかもしれませんね。ただし最近は、「無化調中華」みたいなことを最初からコンセプトに盛り込む店も増えていると思います。あくまで都会のマニアック寄りな小規模店とかに限られますが。
フレンチ・イタリアンになると、意識的に使わない店はぐっと増えるんしゃないでしょうか。顆粒ブイヨンなどを使ってても、そのことはひた隠しにするでしょう。
でもこれも古くからの店は堂々と「うちのパスタの隠し味は昆布茶です」みたいなことを公言していたりして、特にそういうことは気にかけない傾向があるんじゃないでしょうか。高級店ではなくパスタ専門店とかだと、ラーメン屋さんみたいにカウンター席の目の前で味の素そのものを堂々と使ってたりしますし。
和食系は割と分かれるかもしれませんが、これもやはり新しい店になるほど意識的な排除は行われている傾向はあると思います。焼き鳥店だと、使わない店はまだまだ少ないかもしれません。
しかし焼き鳥にしろ割烹にしろ、高級店はやはり使い方が精緻ですね。しっかりした修行を経た高い技術あってのものです。逆にそれが無いと「ウチは使いません」ということにした方が無難だったりします。
リュウジさんのスタンスとしては、基本的に「普通の店に行く普通の人々」の目線に合わせてくれているはずですから、「どの飲食店も使っている」というのは適切な説明だと思います。予約する飲食店に普段から普通に行くのはなんだかんだ一部の人ですからね。
まあそれよりも、そもそも、使う/使わないは、あまり大した問題ではないですね。使わない店もあれば、精緻に使う店も、ざっくばらんな店もある。最終的な料理が好みかどうかだけの話です。
そういう意味では、店選びの目安になることはあります。例えば僕の場合、無化調アピールの中華やラーメンは、好みの味である確率が高いという経験則がありますので、参考にしています。実際行って店内やメニューに「だから当店は健康的です」みたいなことが書いてあったりするとしょんぼりしますけど。
逆にイタリアンやフレンチで「わざわざ」無化調アピールをしていると、味やスタンス、すなわち料理が目指す方向性がnot for meである可能性があるなと判断して行かなかったり。
まあその程度のもんです。