ありがとうございます。一口にベイズx機械学習やベイズx深層学習といった領域を考えてみても、目的やアプローチによって様々な課題が想定できると思っています。それによってつけるべき知識や読むべき論文も変わっていきます。なお、自分の場合は学術的な研究者ではないのでアドバイスはかなり限定的になってしまうのでその点に関してはご理解頂ければと思います。

まずざっくり分けて、基礎研究と応用研究に分けて考えたいと思います。基礎研究においては、さらにモデリングと推論計算の2つに分けて考えることができます。モデリングに関しては、ノンパラメトリックベイズの研究など、これまでにないモデル化の方法(無限個のパラメータを持つモデルをどうやって作るか?など)を探索することが例として挙げられると思います。推論計算においては「事後分布をいかに効率良く計算・活用するか」といった計算レベル・アルゴリズムレベルの研究が中心になるかと思います。また、今後花開くであろう領域として量子計算の活用に関しても非常に興味深いと考えています(量子計算を使って推論計算を高速化する手法の開発、量子活用を前提とした全く新しいモデリング手法の開発、など)。また、別件でも回答させていただきましたが、大規模な生成AIの理論的な理解・活用の拡大においてもベイズ統計は重要な役割を果たすと思います。応用研究においては、データさえあればどんな分野にも活用することができるので特に制限はありませんが、ベイズでは「まとまったデータが集まりにくいところ」「予測するだけではなくその後の意思決定や行動が重要視されるところ」で特に効果が期待できると考えます(例えば医療分野など)。

具体的な論文に関してはこちらで掲載しきれませんので、拙著のベイズ機械学習やベイズ深層学習におけるreferenceの部分を参考にしていただければ、MUSTな論文は大抵揃っていると思います。特に変分オートエンコーダ(VAE)やガウス過程(GP)あたりは非常に幅広く活用されている印象があるので、一通り理解しておくと他の論文を解読する際に役に立つと思います。また、VAEやGPをはじめそれらの論文から辿って比較的新しい論文(2020年以降)もチェックしていくと良いと思います。

6か月

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須山敦志 Suyama Atsushiさんの過去の回答
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