「生活していく中で、自分なりに得た知恵」はたくさんありますねえ……そしてその多くは、「生活に関して得た知恵」というよりも「生活していく中で《自分》について理解して得た知恵」という方が正確かもしれません。

いろんな人がいろんなコツや知恵を語りますけれど、一番有効なのは「うわっ、自分はふだんこういう行動をしているのか。だったら、こうすれば改善できるな」という改善の知恵だと思います。

……といった理屈はさておき、私がお伝えしたい生活の知恵として「睡眠のコツ」をお伝えします。

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なかなか眠れないときや、しっかり眠りたいとき、できるだけスッと眠りたいときには、頭の中でやや難しい(でも不可能じゃない)くらいの計算をします。

どのくらいが「難しい計算」かは人によります。たとえば単純な3桁×3桁の計算をします。頭の中で筆算をして、出てきた答えが正しいかどうかを確かめる検算もします。そのうちに眠くなってきます。

人によっては2行2列の行列の乗算などをやってもいいかもしれませんし、微分や積分の計算、あるいは三角関数の公式を導くなどというのもいいです。

自分の生活の悩みごとなどを考え始めると、逆に眠くなくなりますので、生活と直接は関係のない計算をするのがいいと思います。

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まったく違う方法で入眠することもあります。それは何かの風景や情景を思い浮かべること。ただし、それに対して言葉を使った表現をせず、風景や情景をそのまま想像することです。

そして風景が想像できたならば、その中を歩いてみます。そしてどのように見え方が変化するかを想像します。ここでもやはり「きれいだな」や「木が見える」などのように言葉にしないのが(私の場合の)コツです。

私は個人的に「能動的想像」と呼んでいますが、そのような想像を、言葉を使わずに行っていると眠くなります。というか、眠くなるという意識もないまま眠ってしまいます。

2年2年更新

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結城浩さんの過去の回答
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