私がこれまでに、多分かなりの回数、読み返しているのは絵本です。中でも『アンジュール ある犬の物語』(ガブリエル・バンサン著 BL出版)という絵本が大好きで、ことあるごとにページをめくります。この絵本には、文字は一つも書かれていません。絵本ですが、濃い鉛筆一本だけで描かれていて、色彩もありません。ご興味があれば読んでみていただきたいのですが、書店で初めてこの本を見つけたとき、立ち読みしながら思わず泣きそうになりました。それ以来、「空白の饒舌さ」であったり、「色彩がないことによるより豊かなイメージの広がり」といったものを、いちばんに感じます。この本はこれまでもことあるごとにお薦めしている本です。
他に何度も読み返しているのは手塚治虫の『火の鳥』のシリーズもあるでしょうか。この一連のシリーズもやはり、年齢によって感じ方が異なり、味わいが出てきて大好きです。
一方、本の方ですが、これは高校時代によく読んだ本・詩集を開くことがあります。それらの本を読んで心を揺さぶられた時のことや、やはり十代では感じることのなかったことを今、改めて噛みしめることがあったりします。本の内容もさることながら、自分自身の心境の変化や年齢を重ねてきたことによる変化などを感じますので、興味深いです。
最後に、これも比較的よく見るのは「地図」かも知れません。海外の地図はあまり見ないのですが日本国内の地図は、ぼんやりとよく眺めます。行ったことがあっても、なくても、その土地に思いを馳せることがよくあります。
7か月