なにか前提を間違えておられるように思います。
辞書的には参政権は「国家権力(統治権)の行使に参加する国民の権利の総称」だそうです。
現代ではこれは国会議員を選ぶ選挙に参加する権利を指します。
しかし江戸時代には国会も国会議員もいません。
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では将軍を選挙で選べる権利とでも解釈しましょうか。しかしこれもあまりに距離のあるお話です。将軍は史実の手段で選ばれたからこそ史実のような将軍になりました。それをたとえば町人はもちろん、貧民と呼ばれる人まで選ぶことができたとしたら、将軍の内実も大きく変わるでしょう。
歴史はあらゆるものが相互に影響を与えています。なので「もし◯◯があったら」という類のお話、この場合は参政権ですが、参政権が江戸時代に影響を与えるだけでなく、江戸時代もまた参政権に影響を与えるはずです。”しかしそのきっかけがありません”。
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史実においてもあらゆる制度は歴史的背景、その時代を生きる人が感じた必要性から生み出されています。”誰が参政権を江戸時代に求めるのですか?” 江戸時代の人々は思いつかなかったのですから、もしそれが入ってくるとすれば、それは当然「外部」からということになります。さて、この参政権を持ち込むような人とは一体誰でしょう。現代人でしょうか、宇宙人でしょうか、どんな存在にせよ、当時の社会を考えただけで改変できる権力者を想定しないと、ご指摘の想定が成り立ちません。
であるなら、当時の天皇より将軍より富豪よりもはるかに…… その社会の改変ができる「何者か」が一番強力な存在であり、その人物をすげ替えると想定できない参政権なるものは、そういう名前がついただけでのお飾りに過ぎないでしょう。
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現実に過去の人々が参政権や社会保障をどう考えたのか、それを受け止めることが一番重要に思います。
参政権についていえば中江兆民が明治時代のお話ではありますが、色々と考えていてくれています。まずこちらをご覧になられてはいかがでしょう。
https://www.iwanami.co.jp/book/b246019.html
次に社会保障については『生きづらい明治社会――不安と競争の時代』が参考になるでしょう。これも明治時代のお話ながら、社会保障を人々がどう考えたか、特に「なぜ社会保障は不要か」と力説した当時の政治家の発言等と、事実として社会保障からこぼれた人々のお話がまとめられています。
https://www.iwanami.co.jp/book/b374925.html
以上のお話は私の知識から出ていますので、江戸時代ではなく明治時代のお話にしか触れていません。
もしお望みなら江戸時代の人々について分析した、上記に近い本を探されるのがいいでしょう。
Mondで回答を待つか、質問文を書き直して質問したり、図書館のレファレンスサービスを使えばお望みの情報が手に入るはずです。