今この状況で「成功しているわけではない」と言うのも不遜な話なので、そういう前提で話を進めますが、質問者さんもおっしゃる通り「お金が積極的に動く領域ではない」のはその通りです。ベンチャー立ち上げました資金調達しました上場しました売却しました、みたいな世界とは桁がいくつも違います。

飲食業界も、ついでに出版業界も、人の目には極めて触れやすいので、お店や個人は知ってもらいやすいですけど、どちらも経済的な規模はごく小さい世界です。

 

僕が就職活動をしていた時代は、今に比べればまだまだ恵まれた状況でした。経済学部だったので、銀行であればどこでも行きたければ行けました。初任給から年収1000万の世界です。でも飲食関連の仕事がしたかった(正確に言うと仕事全般やりたくなかった中でそれだけはまだ我慢できると思えた)ので飲食関連の会社にわざわざ就活しました。その時点で年収は半減です。結局(それすら我慢できないことが判明したので)それも辞めてさらに半分になりました。

つまり僕にとってこの仕事をするということは、一生お金とは縁の無い人生になるという割り切りからのスタートだったわけです。成功したら大逆転、みたいなことは考えたこともありません。そもそも成功しても逆転不可能です。好きな仕事で食っていければいいというだけです。ただ、好きなことで食っていくのは少なくとも僕にとっては成功以外の何物でもないので、そういう意味では大成功です。

だから成功の秘訣と言われても「好きなことしかやってないから」としか言えません。強いて言えばその路線のままでエリックサウスが小当たりしたことですが、まああれは「マイ・シャローナ」か「完全無欠のロックンローラー」みたいなもんです。まぐれの一発屋です。その後文筆業というもうひとつ好きな仕事を得たのもこれのおかげです。高原兄と同じパターンです。

道中で苦労したことは特に有りません。会社は何度も何度も潰れかけて、今だっていつ潰れるかわかりませんが、社長はじめ僕以外の優秀な人々がなんとかしてくれました。

 

何の参考にもならなかったと思いますが、就活頑張ってください。僕がもし人生やり直して飲食以外のことをするとしたら、大学でちゃんと勉強して好きな分野を見つけて院に行くべきだったと最近たまに思います。

ひとつだけ言えることがあるとしたら、世間ではよく「好きを仕事にするのはかえってつらい」と言われますが、んなこたーない、ということです。

 

1年

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