老婆心ながらあえて厳しいことを言うと、とても危険な匂いがします。「脱サラしてカフェを開業」というのは、世の中で断トツで失敗確率の高い飲食店開業です。もちろんそれで一時的にでもうまくいった人がいないわけではありません。しかしそういう事例を見聞きするのはあくまで「生存者バイアス」と考えた方がいいでしょう。
飲食店開業というのは、あくまでコンセプトから始まります。自分のやれることが100あるとして、そのコンセプトに即したコンテンツを10厳選して始めるのが飲食業です。最初のコンセプトが通用しなければそれを即修正し、うまくいくまでコンテンツを入れ替え続けて粘る必要があります。いったんうまくいっても、世の中の変化に合わせて、それは一生続くことです。
質問者さんはまずコンセプトがとっ散らかりすぎています。そしてそれを構成するコンテンツは「自分が今やれることとやればできそうなこと」をかき集めることでなんとか埋めようとしているだけに見えます。「カフェしかできない人がカフェを開業する」というのは、あまりにもリスクが高すぎます。自分が好きなものは第三者にとっても価値があるはず、というのは、ある種の幻想です。
僕からアドバイスできることがあるとすれば、いきなり開業ありきで事を進めるのではなく、飲食店なり運営会社なりの組織の中で、自分が「プロの飲食人」と明確に自覚できるようになるまでは、ひたすら吸収を続ける事です。2年前から今日までそれを続けていたのであれば余計なお世話かもですが、それでも文面からは、まだ足りていない印象を受けます。プロの飲食人であれば仕入れの問題など自動的に解決するはずです。
ただ質問者さんにとって幸いなのは、お父様の存在です。もしやっぱり今さら修行なんてまだるっこしいと思われるなら、来年の開業向けて突進することを止めるつもりもありませんが、その場合でもお父様の経験や知見はどれだけ活用しても損はないはずです。同時に、喫茶店の開業はお父様の時代ほど甘くはないということも、重々覚悟してください。