回答になるかどうかわかりませんが、思うところを書いてみますね。

結城はMondの回答が長くなる傾向があります。どんなふうに回答しているかというと、ほとんどの場合は「一気に」書きます。「どういう流れで答えるか」という全体像を考えることもなく、「結論はどうするか」というまとめも考えることもなく、いきなり書き始めることがほとんどです。アウトラインを考えることもありません。まさにいまも、ぶっつけ本番で頭から書いています。

長さだけでいうなら、そんなふうに頭からぶっつけ本番で書いて行くなら自然と長くなっちゃいますね。これは文章の書き方としては、必ずしもいいことではないと思います。

ぶっつけ本番で何をやっているかというと、ほとんどが自問自答になっていると思います。質問を読んで自分がすぐに感じることがありますよね。それをまず書きます。少し文章を書き進めると、その文章は抽象的過ぎたり、具体的過ぎたりしますので、調整を行います。調整を行いますといっても、前に戻って書き直すわけではなく、話を継ぎ足していくわけです。

自問自答になっているというのは、自分自身との対話を行うということです。自分が書いた文章を読んで「でも、●●だったらどうなるの?」のような疑問が浮かんだなら、それに答える形で文章を書き進めていきます。明示的に「●●と考えるかもしれませんが」のように対話的に表現する場合もありますし、しれっと「●●の場合には〜」みたいにあたかも最初からそのことを考慮して書いている風に表現することもあります。

そうやって文章を書き進めていきますと、かなり「自分寄り」の文章になりがちですから、質問への回答の場合にはときどき、質問文を読み返します。それによって軌道修正をするわけです。軌道修正といっても、文章を読み返して書き換えるわけではなく、書き足していきます。そんなふうにして書いていると、800字はすぐです。ちなみにいまちょうど800字を過ぎたところ。

こんなふうに書き進めていると文章は冗長になりますけれど、話としては「自然な流れ」になることが多いですね。そういう文章を読むのはちょうど、音声で「お話」として語られているのを耳で聞く感覚に似ているんじゃないかなと思います。

ある程度の長さまで書いたなら読み返して細かい手直しをして、最後に箇条書きで三点ほどまとめると引き締まっていい感じになりますね。

  • ぶっつけ本番で頭から書き進めるスタイルだと自然に長くなるものです。文章としては冗長ですが、意外に読みやすいものです。

  • そのスタイルを支えているのは自問自答、自分との対話になります。抽象度を調整したり、自然に浮かぶ疑問に答えたりします。

  • 最後に三点ほどまとめると引き締まっていいですよ。

1年

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