そもそもインターンが目標というのが少し立ち止まって考えて欲しい所です。ここで僕の好きな記事を一つ紹介します。Joel on Softwareという有名なブログの「Finding Great Developers」です。英文に抵抗があるならページごと機械翻訳に投げ込んでも構いませんが、僕の文脈でピックアップして伝えたい部分だけ掻い摘んで伝えます、僕によるバイアスを含むので興味を持ったら是非原文も読んでください。面白くておすすめです。

  • 世の中には「優秀」「無能」の2種類の人材がいて転職市場に出回っている人材のほとんどは後者

    • 何故なら前者は重用されて出回らないからその人の生涯で4度程度しか転職市場に現れない

  • 転職市場は期待できない人間ばかりだが、優秀な人材は学生の中には社会と同程度には居るはずなので学生の中で探すほうが優秀な人材と巡り会える期待値が高い。それを市場に出てくる前に捕まえるのがインターン

    • ソフトウェアの世界での優秀さはその気になれば学生のうちの数年でも育つが、全く育てていない人が多すぎるので仕事の中での成長よりも才能で採る方が良い

    • つまり青田買いと相性が良い

  • インターンの中で真剣な仕事を与えて働きぶりをみれば面接よりも高い解像度で採るべき人材かどうか見極められる

    • 優秀であると確信した後でなら新卒より高い待遇でオファーをしても割にあう

    • なぜならそもそも新卒の普通の給料は人材が無能だった場合の保険を乗せて額面が削られているから

これは米国の話ですが大筋では日本の労働市場でも通用します。インターンとは慈善事業でも子供向け人気集めイベントでもなく、企業がより優秀な人材を高い打率で掘り当てるための真面目な採用サイクルの一部です。「経験者を求めているインターン」というのは錯覚で、学生の中で有望そうな人をスクリーニングした結果、複数社の結論がたまたま一致したに過ぎないのではないかと思います。

さて「インターン獲得」という観点の話ですが、新卒市場に出回るような学生の履歴書は基本的には学歴+α程度しか載っていないものですから、それを見た時に人事部の社員が「この学生は高い解像度で比較してみても良いかも知れない」と思えるような学生という観点で考えるとそんなに難しい話ではありません。

  • 関連の深い学科で高いGPAを獲得する

  • 努力で超えられない才能を持っている事をアピールする

    • 独学で調べて何かを作って発表していると良い、自主的に何かクールなことをやっている人間はコンピュータの才能があるかも知れない

    • 「やる気だけは誰にも負けません」という口先だけなら誰でも言えるのでやる気を客観的に証明できる経歴を残す

  • ブログやSNSや学会でポジティブな方向に目立つ

    • その会社が使用している技術の名前で検索した時に上位に出てくると理想的

    • 採用担当だって候補者のフルネームやアカウント名で検索ぐらいします

注意点として、入賞歴やその他の華々しい活動は基本的にポジティブに受け取られますが「インターン経験」は学生の直感に反して警戒されます。3日程度の職業体験的なインターンならともかく、まともなインターンシップであれば優秀であると判明した学生はその会社の採用パイプラインに乗せて外に出なくなるようガッチリとホールドされて表に出てこなくなるはずです。それなのに表に出てきていて長期インターンの経歴が複数並んでいる履歴書は、それらの会社の採用パイプラインに乗り損ねた可能性があります。学生観点で見ると有名企業でのインターン歴が並んでいると勲章やトロフィーが並んだ履歴書のように見えるかも知れませんが、採用担当の観点で見ると多ければ多いほど良いと一概に言えるものではありません。ですので僕からできる確実なアドバイスは「学業を頑張りながら目立て」です。

日本の労働市場における「新卒カード」は充分強くてインターンに行かなかった位で絶望するような物ではないので、いっそ夏季休暇を全部趣味の開発に叩き込む方がキャリアに有利に働くかも知れません。

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熊崎 宏樹さんの過去の回答
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