「勉強のモチベーションを保つ」のに関係して「集中力が足りない」ということがご質問に挙げられているということは、恐らく「勉強していても気が散ってやる気がなくなる。モチベーションを高く保てば集中して気を散らさずに勉強できるのではないか」のように考えていらっしゃるのだと思います。

もちろんそれはそうなのですけれど、作業をしている自分のことを客観的に観察するのは意外に難しいものです。いつもいつも勉強に対して時間を忘れるほど夢中になるのは難しいことですし、難問に取り組むときにうまく休憩を挟むことで解決が得られることもあります。

何を言いたいかというと、集中できているかどうかを考えるだけではなくて、「そもそも自分はどういう作業にどれだけの時間を使っているのだろうか」という記録をとってはどうか、と思っています。

自分の作業の記録を取りながら勉強をするのです。具体的には、机に向かったときにさっと現在時刻をメモしておきます。専用の作業記録ノートを作ってもいいですが、そんなにきちんとしなくても、いつも机にメモ用紙を置いておくだけでもまずはいいかもしれません。

そして勉強が一段落したとき(あるいは飽きて「もうやめようかな」と思ったとき)に、また現在時刻をメモします。そのようにすれば、自分が一つの作業に何分机に向かったかがわかることになります。

しばしばその数値はあなたを驚かせるはずです。「自分は1時間くらい頑張ったつもりでいたけど、たった10分しか経ってないのか」ということもあるでしょうし「ちょっと作業したつもりだったのにもう1時間もやってたのか。そりゃ疲れるなあ」という場合もあるでしょう。

時間が長ければいいというものではありません。大事なのは、自分の状況を時間という客観的なものでとらえることです。そのような作業の記録を続けて取っていると、自分がどんな作業に飽きがちなのかとか、自分が耐えられる時間はそもそも何分なのかとか、そのような客観的データが揃ってきます。

そこまできて初めて「よし、今度は勉強時間をXX分に伸ばせるようにがんばってみるか」みたいな現実的な目標を立てることができるでしょう。

あるいはまた、何か「モチベーションをアップさせて、集中力を高める方法」を耳にしたときに、実際にそれが有効かどうかを、「時間」によって評価できるようになります。「あの方法、いいかと思ったけど、たいして変わらないなあ」とか「結局は自分がよく睡眠を取った後ならば集中できるんじゃないの?」のように、自分の活動を科学的に評価できるようになるでしょう。

まずは「時間」というデータを集める。そして自分の現状を知った上でよい方法を考える。そのような進め方をオススメします。

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以下は半分宣伝です。

私は毎日、本を書く仕事をしていますが、作業を進めるときにざっくりした内容をメモして、それに掛かった時間も記録します。その様子はリアルタイムでWebで公開しています。

ひと月200円で、今月分と先月分を常時見ることができますので、よろしければどうぞ。noteメンバーシップ経由なら、初月無料となっています。

◆結城浩の作業ログ

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