カレーを含めほとんどのものは、仕込み、つまり仕掛品を調理する段階で、塩は調整済みのはずです。あとはそれを組み合わせて焼成や再加熱を行うというのが一般的なオペレーションなので、個々のリクエストに合わせて減らすというのは基本的には不可能と考えておいた方が良いと思います。

こればかりは(味における他の要素と同様)、自分好みの店を見つけるしかないかもしれませんね。

しかしもっといいのは、自分自身が塩加減に対しておおらかになることではないかとも思います。これは決して「我慢しろ」と言っているわけではなく、「こういうのもあるのか」と受け入れたら、楽しめる店の選択肢が増える、ということです。

インド料理は、ガチな店ほどうま味や甘味をブーストしない、そして酸味もしっかり効かせる傾向にあるので、同じ塩分でも体感的にしょっぱく感じることがあります。もちろん店や作り手ごとにそのあたりは大きな違いがありますが、イタリアンやフレンチでも本格志向かつ無骨なスタイルの店は(体感的な)塩気が強いことがよくあります。

日本人ほどしょっぱさのストライクゾーンが繊細な人種はなかなかいない気がします。みんなもっといい加減というか、塩気が弱くても強くても「それはあまり本質的な問題ではない」と捉えているように思うことがあります。作り手としてはともかく、食べ手としては、そんないい加減さを我が物にするのは(ある意味すごく難しいことですが)決して悪いことではないのではないでしょうか。

2023/09/27投稿
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