「何がお金に結びつくかを理解し実行できるプログラマー」が稼げるプログラマーです。これは稼げる業界を理解してそこへ転職することまで含めた話です。

複雑なシステムやアルゴリズムを理解して唯一無二の最強のコードを書けるプログラマが稼げるに違いないというのはよくある誤解ですが、たとえばあなたが1億円相当で売れるダイヤモンドを砂漠の真ん中で持っていて、水を飲まないと死んでしまうので一刻も速く換金したい場合、目の前に商人が1人しかいない状況ではそのダイヤは1円で売れるかすら怪しいです。しかしそこに2人目の買い手が現れれば9999万9999円までは買値がつくかも知れません。つまり価値に見合う売値で売れるのはそこに買い手が2人以上いる場合に限られますし、したがって持つべき物は価値の高いダイヤモンドだけではなく、それを買ってくれる(できれば複数の)人への経路です。

めちゃくちゃ高度なテクニックが高額を稼いで欲しいとは僕も昔から思っていましたが、例えばKaggleばりに心血を注いでチューニングしつくして最高精度を叩き出したランダムフォレストよりも、精度はぼちぼちだけど何故その推論を出したのか素人にも説明できるシンプルな決定木アルゴリズムの方が出資者の気に入って勝つみたいな話はそう珍しくないそうです。

一緒に働く仲間としてはもちろん手が早くてわかりやすい正確なコードを書いてくれる人が望ましいのですが、それとは別の地平では自分しか持たない特定のアプリ(e.g. MT4)のノウハウを独占してわざと読みにくいコードを書くことで他のエンジニアが触れない聖域を作り職場で唯一無二の存在となることで経営者に交渉して高い賃金を得るという手法で「稼げるプログラマー」になるルートなんてものも存在するそうで恐ろしい話です。