「皆に好かれたい病」の同僚がおいでなんですね。

 まず、私の話をさせてください。やはり、「皆に好かれたい病」の知人がいたことがあります。好かれたいどころか、その人の場合は「好かれないはずがない」くらいまでいっていたと思います。けれど、ある程度の時を過ぎると、それまでに吐いていた嘘の数々が少しずつ露見してきて、しかも、ふと油断したときの発言が非常に残酷だったり、人を傷つけるものだったりに変わっていきました。だんだんと化けの皮が剥がれていったんです。それでもその人は、毎日欠かさず私に長文のメールを寄越し、様々な話をしてきました。私の方も、最初の頃はお人好しにも馬鹿丁寧な返事を送っていました。それでも、数年もすると彼女が無作為に発言した言葉に驚き傷つくことも増え、「好かれないはずがない」彼女のテンションの高さと密着度に好い加減、疲れてきていました。それで、あるときメールの返事にこう書いたんです。

「無理に楽しそうなメールを毎日送ってこなくても大丈夫です。週に一回でも、二週間に一回でも構いません。無理をしないでください」

 すると翌日から、メールはピタリと止みました。一週間が過ぎても、一カ月、三カ月、一年が過ぎても。そして、そのままもう何年も、プツリと関係は途切れたままです。彼女は私に「見破られた」と感じたのかもしれないし、他の理由があったのかも知れません。その後、噂に聞いたところでは、彼女は新しい「標的」を見つけて、また同じように「好かれないはずがない自分」を見事に演じているようです。

 さて、その同僚の「皆に好かれたい病」の方の話に戻りましょう。

 全身カミソリ状態になったその方のそばにいて、あなたはとてもしんどいのですね。

 それでしたら、直接ではなく、社内メールでもLINEでも何でもいいので、

「無理に機嫌良く振る舞った結果、疲れて辛くなったのなら、最初からそんなにニコニコしなくても大丈夫ですよ。あなたが無理にニコニコすることを、周りは望んでいません」

 くらいのことを伝えてはいかがでしょう。そうすると、彼女は逆ギレしてあなたを攻撃してくるでしょうか。少なくとも、あなたからは遠ざかるのではないでしょうか。それでも、彼女はふと「自分はいつも無理にニコニコしていただろうか」とは、考えるだろうと思います。その結果、いつも不機嫌でピリピリした人になってしまうでしょうか。

 そういうタイプは、実はニコニコでもピリピリでも、所詮は長続きがしないものだろうと思います。自制心が足りない、とも言えるでしょう。そういう人といて、自分が疲れ果てるくらいなら、それくらいのことをしても、いいのではないでしょうか。

7か月

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乃南アサさんの過去の回答
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