「文章を速く書き上げる方法」という秘訣があるなら私もぜひ知りたいものですが、何かたった一つの秘訣というものがあるのではなく、たくさんの細かい技能や知識や工夫の積み重ねなのではないかと思います。そしてその技能や知識や工夫というのは、書き手がそれぞれに身につけたものになると思います。なぜかというと、書き手の特性は一人一人違うからです。
……で話を終わらせてしまうとつまらないので、自分の場合について書きたいと思います。文章を速く書き上げるといっても、品質を落としては無意味ですから、品質を落とさずに文章を速く書く方法を探す必要があります。自分がやっているのはまずは「自分の現状を知る」ことです。
自分が文章を書くときに「この文章を書くのにこのくらい時間が掛かるな」と予想を立てる。
文章を書き終えたときに「実際にどのくらい時間が掛かったか」を確かめる。
思ったよりも時間が掛かったなら「なぜ時間が掛かったのか」を考える。
そのようにして、もしも時間が掛かった原因の中に自分の工夫で何とか解決できそうなものがあるのならば、その対策を行います。
「そんなのは当たり前じゃないか。もっと、こう、手っ取り早いコツみたいなのはないのか」と言いたくなるかもしれませんが、ちょっと検索すればいろんなコツは見つかるものです。しかしながら「自分の現状を知る」ことをやらないと、見当外れなアクションをしてしまう危険性がありますね。
「文章」といっても千差万別ですし、文章の長さも、書き上げるための時間も、各人の能力も違いますから、まずは「自分の現状を知る」ことが大切だと私は思っています。プログラミングの開発で「プログラムの速度を上げたい」という要求はいつもやってきますが、プログラムの修正を行う前には必ず「現状を測定する」というプロセスが入ります。文章を書くという作業の速度を上げるときでもまったく同じだと思います。
……で終わらせてもつまらないので、私個人が「こういう考え方は悪くない」と感じるものを少し書きます。
〆切を確認し、自分が書くべき内容を可能な限り明確にする。ふわっとした内容で書き始めると無駄に長くなってしまい、どうしても整理に時間が掛かってしまいます。また話を広げすぎるのを防ぐ効果もあります。
他の人が関わるもの、集めるまでに時間が掛かる情報については、可能な限り早めに着手する。自分の作業は自分ががんばればいいのですが、他の人が関わり始めると自分で制御できなくなりますから、その部分を早めに解決しておく必要があるということです。また並行して作業すると全体のスピードは当然上がります。
頭の中で考えず、まずは頭の中にあるものを文章として外に出してしまう。完成された文章を書き下ろすというイメージではなく、まずは頭の中身を外に出すことに注力します。私はよく「頭の外で考える」や「エディタの上で考える」と表現します。
そんなところです。
(ちなみにこの回答は27分で書きました。速いか遅いかはよくわかりませんけれど)