おっしゃるようにX(Twitter)の荒れ様は年々加速しており、近年は「このアカウントの向こう側にいるのは、本当に生きている人間なんだろうか……?」と思わせるほどに信じられない中傷罵倒、加虐的な人が増えました。普通の日常を送っている人たちだと思いますが、完全にたがが外れて言動がエスカレートしてしまっているのでしょう。そして本人もそのことに気づいていない。
とはいえ、完全なノイズと化したそうしたアカウントを除けば、いまも健全な投稿がたくさんあり、ときに健全な議論が行われているのが現在のX(Twitter)だと思います。問題はプラットフォームがノイズをうまくフィルタリングしていないことだと思います。
たとえば電子メールという古式ゆかしいコミュニケーションも、「荒らし」はさすがに存在したことがありませんが、迷惑メールやフィッシングメールであふれかえり、通常のメールが埋もれてしまって読めないという時期が2000年代初頭のある時期にはありました。これをうまく退治したのがグーグルで、非常に高性能なスパムフィルタを導入したことによってノイズが排除され、電子メールがコミュニケーション手段の中心として「使える」ようにしたのです。
現在のプラットフォームに求められているのは、このようなフィルタリングのテクノロジーでしょう。たとえば「ソーシャルメディア・プリズム――SNSはなぜヒトを過激にするのか?」(クリス・ベイル、邦訳はみすず書房2022年)では、政治的に対立している相手に激しい攻撃の投稿をした人はSNS内でのステータスが下がり、逆に穏やかな政治投稿をした人はステータスが上がるしくみを提唱しています。
「政治的分裂の緩和に貢献するとステータスが得られる、というプラットフォームは誰もが使う気になるものではもちろんないだろう。だが、それはいいことかもしれない。ほかのプラットフォームで政敵をやり込めては悪評を高めている荒らしや過激主義者を、私のイメージしているようなプラットフォームからすっかり閉め出せはしないと思うが、彼らはそのような場で活動しても全然報われないだろう」(同書より)
いずれにせよSNSが政治の公共圏として健全に駆動していくためには現在のアーキテクチャではダメダメで、もっと進化していく必要があるのは間違いありません。
さて、本題です。わたしの投稿を毎日読んでいただいてありがとうございます。嬉しいです。朝キュレをXだけで続けるのか?というご質問ですが、実はFacebookページでも投稿しています。こちらのページです。
https://www.facebook.com/pressajp
またThreadsですが、実はアカウントをとったまままったく何もせず放置していました。これは私が日常的に朝キュレに利用している予約投稿アプリのBufferが、Threadsに対応していなかったためです。
しかし何と!少し前にBufferがThreadsに対応してくれるようになりました。「そろそろThreadsでもやっていいかな」と考えていたところでしたので、ご要望にお応えして明日7月16日からThreadsでも毎日の朝キュレを実行いたします。以下のアカウントですので、ぜひお読みください。