自分の過去の経験を振り返ってみますと、自分が行ってきた活動のほとんどが「かなり集中してのめりこむ」部分を含んでいるなあと思いました。高校の頃は勉強がゲーム感覚で夢中になるほど好きでした。学校に行っている時期(小学校から大学まで)ずっと本を読むことにも夢中になりました。文字通り時間を忘れて本に読みふけるという経験があります。
プログラミングにものめり込みました。学生時代もそうでしたが、開発の仕事をしているときも仕事そっちのけで(?)プログラミングにのめり込んでいた部分があります。
過去を振り返っての印象なので、バイアスがかなり掛かっていると思いますが、若いときには「夢中になれるものがほしい」と感じたことはあまりなかったんじゃないかと感じます。
ですから、あなたのご質問にある「夢中になっているものにどうやって出会ったか」にはうまく答えられません。
強いて言うならば、いろんなことをやって、おもしろいと感じたならどんどん思うままに進んでみるということが功を奏しているのでしょうね。つまり自然淘汰のようなもので、たくさんやっていて、自分が夢中になれるものだけが残るので、自明の理として「夢中になったものしかない」みたいな記憶が残っているのでしょう。
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私の話はさておき、ちょっとだけアドバイスめいたことを書くならば、「あまり先のことは考えずにいろんなことをとにかくやってみる」ことが大事なんじゃないでしょうか。先のことを考えないというのは、やる前から「これは自分が夢中になれるだろうか」と決めないと表現してもいいです。やる前から夢中になれるかどうかはわかりません。しばらくやってみて(しかも真剣にやってみて)初めて分かるんだと思いますよ。
あなたの年齢はわかりませんけれど、自分がどんなものが好きか、自分はどんなことに夢中になるかというのは、若いうちはなかなかわからないものです。自分自身についての経験や知識が少ないからです。いろんなことをやってみるというのは、自分自身についての経験を増し、自分についての知識を増すということです。
ややこしく入り組んでいますけれど、「自分が夢中になれるものを探す」というのは、「もの」の方を探すわけではなく、「自分」の方を探すんだと思います。いろんな経験を通じて「ああ、自分にはこういう側面があるのか!」「自分はこんなことができるんだ!」「自分は意外にこういうことも好きなのかも!」と気付いていくプロセスが大事なんだと思います。
「いろんなことに取り組むけど、なかなか続かない」ということを批判的に考える人もいますけれど、少なくとも若いうちはそんなことはまったく気にしなくていいと思います。どんどんやってみて、自分についての経験を積むことが大事だと思います。自分は一生つきあっていく存在ですから、よく知り合って仲良くしておくといいですよ。
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ちなみに私は現在でも、いろんなことを試して「おもしろい」と思ったことは続けるようにしています。そうすると、毎日が「おもしろい」と感じるもので満たされます!