他の方はどうであるかわからないので、私の場合について書きます。

私の場合は「どういう本を書くか」や「どういう内容にするか」のほとんどについては自分で決めます。もちろん編集者さんとの意見交換は行います。私が「これこれこういう感じに進めようと思います」という話を伝えると、編集者さんからはさまざまな意見や情報がやってきます。「内容としてこういうのも入るとうれしい」というお話をうかがうことがありますし、もっとすごく現実的な「売れ筋情報」的なことを教えていただくこともあります。

編集者さんから、私が考えてなかったようなテーマや題材をいただくこともあります。「なるほど、それはおもしろい!」と感じることが多いのですが、意外に実際の企画として結実することは少ないかもしれません。実際に本を書く段階になると単に「おもしろい」と私が感じるだけではなく、もっとずっと深いところから「書かずにはいられない」くらいの感覚にならないとなかなか企画は進まないからでしょうかねえ。

ただし、いま改めて考えてみますと「私が決めている」といちがいにいえない部分もあるなと思えてきました。編集者さんとはしばしば雑談をしたり、いっしょに食事をしたりしますが、その中の何ということもない会話を通じて話が広がったり、次の本のイメージが膨らむこともよくあるからです。

ありがたいことに私がおつきあいしている編集者さんは聞き上手が多くて、私があれこれ話すのをよく聞いてくださいます。私の中で企画の内容や、物語の内容が広がるときには、間接的ではあるものの、編集者さんとの会話が効いている部分もありそうだと思います。

具体的な本として企画にするときには、私が決めて進めますけれど、それはあくまで私個人としてはそのように感じているだけであって、意外と普段のやりとりを通じて編集者さんからの影響も大きいのかもなあ……などと思います。

ということで、意識の上では「私が決めています」といえますが、間接的には編集者さんの影響や意向が動いていると思います。あまりデジタルにパキッと分けられるものではなさそうです。

6か月

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