自らの思考を言語化したものを他者に共有する、つまり自己開示をすることは、自己評価の理想と現実(他己評価)のギャップに向き合うことになるため、自尊心を傷付ける可能性を伴います。この羞恥心が抵抗感の正体だと思います。

エントリーシートの目的は、自分を具体的かつ正確に表現し相手方に評価してもらうことですから、その内容は自己認識だけでなく客観性を帯びたものであるべきです。そのために自己開示した上で、客観的なフィードバックをもらうことが重要です。

人間には、返報性と呼ばれる「恩恵を受けたときに、同じような形で返さなくてはならない」といった意識が備わっています。これは、人間社会に深く根差した相互依存を生み出す心理で、自己開示すると返報性の原理によって相手も自己開示する心理が働き、周囲との信頼関係を築くことに繋がります。これは人と仲良くなるための原則の1つである「秘密の共有」に通ずる部分です(青年期の友人関係における「共有」の意味について)。

前述の通り、自己開示には一定の心理的負荷を伴いますから、率直かつ真摯に向き合ってくれて、発展的に信頼関係を築くことを期待できる、自己開示し合える人や自己開示できる環境を選ぶことが大切です。それに加えて、自己開示する範囲や方法も考えなくてはなりません。いきなり自分のすべてを曝け出した時に驚いてしまう人もいるでしょうから、どの程度開示した時にどう受け止めてくれるかを想像し、徐々に信頼関係を構築していくことも自己開示の前段として必要でしょう。

1年前10か月前更新

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