感情的な側面は全体で。戦略的な側面は生々しいのでメンバー向けにてお答えします。

感情的には私はもともと「作品は媒体ごとに違っていていい」という考えの持ち主だからです。その昔、ゲームのアンソロジーコミック、4コマ漫画劇場なるものがたくさん売られていた時代がありまして。原作とは全然違うギャグ漫画なんだけど、好きになった原作の4コマを読み漁ってクリア後の喪失感を生めていたりしました。そういう体験が原点にあるのもあって、原作とは雰囲気が全然違う何か、というものが良いなぁと思っていたのが大きいです。

又、YouTubeは投稿しなければならない動画の本数がかなり多く、とても私1人で脚本を書き切れるものではありません。小説執筆や他の作品制作仕事もある中で、私の作風を完璧に再現してYouTubeを運営し続けるのは物理的に不可能だったので、他のクリエイターでも委縮せずに自由に作れるように、あえてガチガチの縛りを作らなかったという側面もあります。

ここまでが感情的な側面ですね。

続けて、戦略的な側面について。

まず私は「義妹生活」において小説版の内容を先に思いついています。その上で、この内容は書き下ろしのライトノベルで発表しても売るのが難しい、人気にするのが難しい、と判断しました。読者の方は内容が良ければ売れる、同じ内容なら当然売れるだろうと思われるかもしれませんが、これは内容が良い、悪いとはまったく異なる感覚です。

私は自分の作品がどういうポジションを取るのか、あるていど客観的に想定できていて、この「義妹生活」の企画内容は、「悠太や沙季に共感でき、好きになれる人には人生のバイブルになるレベルで好かれるけど、そうじゃない人にはとことん好かれない」というものだと認識できていました。

そして私がやりたかったのは「この作品が好きな人の感動体験を最大化すること」であり、そのためにはじっくりと時間を使う必要がありました。

たまに読者の方やアニメ視聴者の方に、「序盤から後半のような面白さを実現できていればもっと人気が広まっただろうに」と言われることがありますが、それは無理なんです。現在の「義妹生活」の読書感、視聴感は、この形だから達成できたものであって、序盤に性急な展開を入れていたら同じ感覚にはなれません。

1冊の中に感情の爆発を持ってきて感動させるような作品づくりも、もちろん可能です。が、その場合は、

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