高校生男子のお弁当なんて「肉とめし」でいいんじゃないかなという気もしますがどうでしょう?
例えばですね、タッパータイプの仕切りのない弁当箱にご飯を詰め込む、豚コマを焼いてご飯の上に敷き詰める、上から全体に醤油をかける、以上。これがボトムラインです。ちなみにこの料理(?)の考案(?)者は吉田戦車氏です。
これではさすがにあんまりだと思われるかもしれませんが、この上にネギや胡麻や紅生姜や刻み海苔でもパラパラ撒けば、ビジュアル的にも大層立派なものになると思います。クラスメイトにはむしろ羨ましがられる確信があります。なぜなら僕も高校生男子だった頃を思い出すと、こういうのでいい、というかむしろこういうのがいいと思っていたからです。家では確かにいろんなおかずが一度に並ぶとテンションが上がりましたが、それと毎日のお弁当はまた全く別の話です。
こればかりというわけにもいかないでしょうから、もうひとつ、汎用的なレシピを置いておきます。
・肉とめし弁当
[材料]
肉 100g
野菜 50g
◼️醤油 大さじ1
◼️みりん 大さじ1
◼️???
[工程]
①肉と野菜を炒める
②◼️の材料を合わせたタレを加える
③ご飯の上にドーン
肉は牛・豚・鶏・ミンチを、豚中心のローテーションで。
野菜は冷蔵庫に余ってるものを有り合わせで何でも。玉ねぎとピーマンは常にあると心強い。
タレは、濃い味が良ければこのままの割合で増やし、しょっぱいのがよければみりんを酒か水に置き換え、甘いのがよければ砂糖を小さじ1プラス。
???の部分はおろし生姜でもおろしニンニクでも一味唐辛子でも黒胡椒でもオイスターソースでも豆板醤でもケチャップでもコチュジャンでもスイートチリソースでも、いくらでも変化がつけられます。
なんならタレの部分は市販の「生姜焼きのたれ」「すき焼きのたれ」「焼肉のたれ」などに頼っても。
肉の部分は前日にやったっていいわけです。朝は電子レンジでしっかり再加熱すれば衛生的にも問題なし。
それでまだ余力があれば、オマケとしてソーセージの一本でも肉の上に唐突に乗っけたら、きっと息子は母の愛を感じると思います。ウッキウキです。卵焼きも悪くありませんが、めんどくさいので炒り卵で充分でしょう。どうせご飯に乗っけるわけだし。
もしかしたらやってみると案外余裕があって、ついつい、プチトマトやゆでたブロッコリーなんかを脇に飾りたくなるかもしれませんが、とりあえず僕が息子さんの気持ちを代弁しておきましょう。邪魔です。野菜はもう充分、肉に混ざってます。どうしてもブロッコリーを入れるなら、そこに混ぜてタレと脂まみれにしてあげてください。
逆に肉を炒める余裕すらない時のことを考えて、冷凍食品なども用意しておきましょう。から揚げとかハンバーグとか肉団子あたりがおすすめです。ご飯の上一面にから揚げを敷き詰めてマヨネーズをピャーってしたり、ハンバーグをソースごとドドーンと載せたりします。高校生男子のテンションは爆上がりです。栄養バランスなんて1週間単位で辻褄を合わせればそれでいいのです。
ちまちまと色々なものが色とりどりに詰め込まれた弁当、もちろん良いものですが、あれは作りたい人だけが作るべき弁当です。作ること自体を楽しめるなら大いにやるがよろしい。しかし決して、我慢とか無理して作るようなものではないと僕は思います。
高校生男子ならまずないとは思うのですが、万が一、息子さんが細々した色とりどりの弁当を望んだ場合は、僕からの以下の伝言をお伝えください。
「ちまちま細かい弁当は、おっさんになって酒が手放せなくなってから自分で買って食えばいい。今は今しか楽しめない弁当を楽しめ。それが『肉とめし』だ。わかったな、坊主」