徳丸が書いていないことを質問いただくことが時々ありますが、私が書いてないのは書きたくない理由があるから(単にめんどうくさいも含む)です。ですが、せっかく質問いただいたので、思うところを書いてみようと思います。

まず、私自身は広告ブロッカーを使っていないです。その理由は、広告ブロッカーには危険なものがある(原理的にあり得るし、過去にあった)からです。過去には、広告ブロッカーが元の開発者から売却され、マルウェア化した例が複数あります。具体例は示しませんが、検索するとすぐに見つけられると思います。

広告ブロッカーがマルウェア化すると、これらはブラウザアドオンの形で動くため、非常に強い権限があり、すべてのサイトの情報を漏洩したり、不正な操作ができます。私にとって、これは受け入れがたい状態であり、わずかな確率でも避けたいことです。

一方、サポート詐欺等の邪悪な広告の方は、通常のJavaScriptですから、ブラウザのサンドボックスや同一オリジンポリシーの制約下で動きます。今回の件では、読売オンラインに登録しているユーザー情報は読み取れるかもしれませんが、それは不正なブラウザアドオンに比べればまだましですし、サポート詐欺は私にとっては「来た、来たー」という感じなので、受入可能なものです。

つまり、サポート詐欺等の不正広告と、マルウェア化した広告ブロッカーを比較すると、最大時の危険性は、広告ブロッカーの方が高いと考えています。

ただ、現実にサポート詐欺で金銭被害にあわれる方もおられるわけですし、不正な広告を起点としてマルウェアを導入され、より酷い状況になる方もおられますから、「どちらがマシ」かは利用者によって異なるでしょう。また不正とまでは言えない現状の広告でも耐え難いという人もいるでしょう。

なので、私はこの件については黙っています(言っちゃいましたが)。上記は特に推奨というわけではありません。

2か月

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徳丸 浩さんの過去の回答
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