これは2つの理由があるね。1つは宇宙に豊富にある元素でできていること、もう1つは水分子が化学的に安定な分子であることだね。なお、ここでは話を簡単にするために、人間原理は無視するよ (つまり、なぜ水しかないんだろうと疑問を持つ生命体がいなければ話にならない、という点は無視するよ) 。

まず、宇宙に豊富にある点。水素はいわずもがな、宇宙の75%を構成する超豊富な存在だね。一方で酸素も、トリプルアルファ反応で生じた炭素を元に生成される、やはり比較的豊富な元素だよ。ということで、宇宙には最初から水分子が豊富に作られやすい、という事情が背景にあるよ。物質的に豊富にあるかどうかは外しにくい要素だね~。

次に化学的に安定な点。これはかなり効いてくるよ。宇宙に豊富な元素である水素と酸素が、一番少ない数で安定して結合した水分子は、化学的に相当安定だよ。これは自然環境で化学変化をせずに長期間存在できるという意味だから、これは相当大きいよ。大気には微量ならば数多くの分子が存在し、その中のいくつかは間違いなく常温で液体である物質だと思うけど、それらは比較的高分子か、化学反応しやすい物質であり、それがゆえに無視できるほど少量しか存在しないからね。ということで、大気のメインな成分で、常温で液体になり得る物質は水のみとなるよ。

もちろん、地球以外の環境では事情は全く異なるよ。土星の衛星タイタンは実証されている唯一の例だね。あそこは大気に大量のメタンやエタンを含むと同時に、液体のメタンを主成分として微量のエタンを含む湖が存在するからね。環境さえ変わればこういうことになるよ。ただ、メタンやエタンのような低分子の有機化合物は水と同じように安定な分子だけど、これは地球とは比べ物にならない低温じゃないと液体にならないね。逆に、地球で液体となり得る有機化合物は比較的高分子で不安定だから、水以外の例とはなり得ない状態だよ。

更に言えば、水は液体である範囲が広いという点も見過ごせないよ。地球の大気での豊富な成分は窒素、酸素、アルゴンなどだけど、液体である幅が比較的広い酸素でさえ35度であり、窒素の14度、アルゴンの3.5度などの方が普通だよ。そういう点では、液体の範囲が21度しかないメタンが液体で存在するタイタンというのも奇跡的と言えるね。宇宙では液体が珍しい、という観点も、この話を進める上では欠かせない視点だよ。

1年

利用規約プライバシーポリシーに同意の上ご利用ください

彩恵りり🧚‍♀️科学ライター✨おしごと募集中さんの過去の回答
    Loading...