かつては「乱読」という言葉がありましたが、最近はあまり聞かなくなりました。手当たり次第にいろんな分野の本を読むのを乱読と言ったのです。しかしインターネット、とりわけSNSの普及で日常的に文字を読むことが当たり前になり、わざわざ本を乱読しなくてもネットでいろんな話題をいくらでも読めるようになりました。いまやわれわれはSNSを乱読していると言えるでしょう。
そういう現代には、書籍を読む意味は変わってくるはずです。手当たり次第に乱読するのではなく、自分なりの「体系的な読書」みたいな方向が求められるようになっているのではないでしょうか。体系的というと大げさですが、ある分野についてさまざまな本をよんで深掘りしていくというような感じです。
たとえばこれは私のKindleの現在の画面で、端末にダウンロードしている本の一覧です。最近のわたしが興味を持っているのは、宗教と死生観/AIや自動運転、メタバースなどのテクノロジー/格差社会問題/文章を書くということについて/ストア哲学的な生きかた……などのテーマです。
これらのテーマについて、ウェブメディアの記事やブログ、だれかのSNS投稿などを読む。そこで本が紹介されていれば、アマゾンのページなどでレビューを読んで評価などにあたりをつける。自分が持っていない知識が書かれていそうだったり、これまでにない視点が提示されていそうだったりと、「この本には自分の持ってない知が書かれていそうだな」と感じたら、購入する。新しい本か古い本かは気にしません。Kindleの画面を見ていただければ、新旧が混在しているのがわかるかと存じます。なお、購入するかどうかちょっと踏ん切りがつかない場合は、Kindle版があれば「サンプルをダウンロード」して試し読みしてみるのもお勧めです。
購入した本を読んで、その中でまた別の本に言及されていたり、参照されていたりすれば、それも読書リストに入れて購入対象にする。そういう繰り返しで、さまざまなテーマについて深掘りしていく。そのようにして本を選び、読み進めている毎日です。