あなたのおっしゃる「文章力」が何を意味しているかで話はずいぶん変わってくると思います。
文章を書くというのは、文章として表現したい「内容」を用意することと、その内容を文章として「表現」することの両方を含んでいると思います。
文章として表現したい「内容」の方をどう準備するかと、すでに内容はあるとしてそれをどのようにすればうまく文章として「表現」するかとは違う話でしょう。
……という話をし始めるとたいていの人は「そういうめんどくさい話はどうでもいいから、てっとり早く文章力を鍛えるトレーニングが知りたいんだけどな」と思います。でも、まさにそこが大事なところだと思います。
文章を書くときには「てっとり早く」だけを求めてはいけません。
これって本当はどういう意味なんだろうか。
このように表現したら伝わるんだろうか。
ぜんぶひっくるめて雑に表現していたけれど、実はもうちょっと分けて考えた方がいいんじゃないだろうか。
文章を書くときには、そんなふうにきちんと頭を使い、じっくりと考えることが大切です。
「読書や文章を書くことが好きではない人」といってもいろいろいます。あまりじっくり物事を考えないでパパッとやりがちな人は、じっくり物事を考えるようにするのも立派な「文章力」アップに役立ちます。また単に言葉に慣れていない人は、自分の興味のある本をたくさん読むことが「文章力」アップに役立つかもしれません。
ということで、「文章力」というのが何を意味しているかをよく考えて、「読書や文章を書くのが好きではない人」がどういう状態なのか、そもそもどうして好きではないのかを分析する必要があると思います。
以上、話があちこちになりましたが、あなたの質問をお読みして感じたことを書きました。
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