魚介の出汁(粉末出汁やエキスも×)を使わずにお味噌汁を美味しく作れますでしょうか?先月からアニサキスアレルギーになってしまい、魚介類全てが加熱非加熱に関わらず食べられなくなってしまいました。治療のために、粉末出汁やエキス(たんぱく加水分解物)も一切摂れず、原材料表示と睨めっこの毎日です。もともと美味しいお味噌のお味噌汁が大好きなのですが、カツオやいりこ出汁がなくても美味しいお味噌汁は作れますでしょうか?食べれるのは、鶏ガラスープの素や、椎茸出汁、粉末昆布出汁などです(昆布は人によっては海のもの全部避けてる場合もありますが、私は摂っています)。稲田さんのミニマル料理のレシピにかなり助けられており、こんな状況でも食べることの楽しみが減るどころか増えたので、味の素やハイミーを使ってなんとか美味しいお味噌汁を手軽に飲めるように工夫できないか、ご相談させてください。

かつて精進料理コースの止め碗として「ダシ無し味噌汁」に凝ったことがあります。精進でも普通は昆布や椎茸のダシを使うのですが、そこまでの料理ほぼ全てにそれを使うということと、味噌汁にはあまり効果的でないと判断して、あえて味噌と水のみで仕立てることにしたのです。

結果として、味噌を吟味すれば余裕で成立すると分かりました。熟成期間の長い濃色米味噌をベースに西京味噌を足し、隠し味的に少量の味醂をさす、というのがベストでした。お客さんにも喜んでいただいていたと思います。

ただしこれは、そこに至るまでに様々な手の込んだご馳走が出て、最後に「虚を衝く」食べ物です。また、これは精進である、というあくまで相互理解に基づく仕立てでもあります。つまり趣味の食べ物であり、日常の食べ物とは少し違う。

しかし逆に言えば、ここにうま味調味料を足せば、日常の汁として必要十分なものとも言えると思います。この場合は、味噌の選択などにももう少し自由度も出るでしょう。味の素よりはハイミーの方が向いていそうです。もちろん、椎茸や昆布でも成立しますし、それらとハイミーの合わせ技という手もあります。

あと、具沢山にすればそもそもダシは要らない、という考え方もあります。その典型が豚汁ということになりますが、肉類は入っても入らなくても成立します。この場合は淡色系の味噌でも良い、というか個人的にはそちらの方が向いていると思います。

もうひとつ、僕は最近「手羽元1本を一人前のダシパックとして活用」というのをたまにやっています。200gの水に手羽元(約50g)を一本入れて、肉が柔らかくなるまで火を入れると150gのダシが取れる、みたいなイメージ。このダシはもちろん味噌汁にも活用できます。手羽元はそのまま具にしても、他の料理に使っても。毎日だと流石に飽きそうですが、たまの変化球には良いかもしれません。

 

いずれにしても、味噌汁は(当たり前ですが)味噌が大事です。そして幸いなことに、日本全国には様々な素晴らしい味噌があります。この際、味噌に凝りまくるというのはいかがでしょうか。味噌なら奮発しても金額的にはたかが知れてますしね。

ただやはり、かつおダシの味噌汁は唯一無二です。その思い出に囚われすぎるなというのも無茶かもしれませんが、どこかで潔く気持ちを切り替えなければいけないのでしょうね。でも味噌という調味料の優秀さ、キャラの強さは、きっとその切り替えを助けてくれるのではないでしょうか。

10か月

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