「ローマ教皇に必要なのは人徳ではなく実務能力だ」

ローマ教皇はローマ・カトリックのトップであり、世間的には人格者がなるのが望ましいと考えられているかと思います。

まさしく西暦1200年ごろ、教会の人も同じようなことを考えて

めちゃくちゃ人格者なんだけど実務能力が無いケレスティヌス5世が教皇になり、カトリック教会は大混乱に陥りました。

この問題に対処するため政治力に長ける、後のボニファティウス8世がケレスティヌスを教皇から引きずり下ろし(!?)、ボニファティウスの即位によって教会は落ち着いたとされています。

ローマ・カトリックが小規模な団体だった時はともかく、カトリックが広がってからは各地のカトリックの問題を仲裁できる実務能力、「政治力に長けること」が教皇に必要な能力になったのでした。

今でも教皇はしばしば国際情勢や地球温暖化なんかにもコメントしていますが、これは信仰心の発露というよりは「全世界のカトリック信徒の代理」として発言しているのだろうと考えると興味深いことです。

参考文献

https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064073022023.html

世界史のリテラシー ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか カノッサの屈辱 | NHK出版

世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第3…

www.nhk-book.co.jp

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