イナダシュンスケ:カキフライは特別ですね。もうなんか他のフライとはジャンルが違うと言っていいくらいだと思います。今書いているだけで猛烈に食べたくなってきました。 僕は海老フライもかなり好きですが、これは残酷なまでにおいしさと価格が比例する気がします。世の中の海老フライの大半は、ちょっとガッカリする結果になる。だから日常的に安心して愛せるのは白身フライですかね。 昔ながらの洋食屋さんでは、その魚がヒラメだろうとそうじゃなかろうとメニュー名が「ヒラメフライ」になっていることがあります。というか昨今の流通を考えると、本当にヒラメであることはまず無さそうな気もします。コンプライアンス的にはアウトもいいところですけど、こういう情緒は見逃してあげてほしいとも思います。なにせそういうところのフライは、タルタルソースも込みで間違いなくおいしい。だから一番好きなフライは「ヒラメフライを名乗る白身フライ」と言ってもいいのかもしれません。 白身フライ欲をより手軽に満たしてくれるのがマックのフィレオフィッシュです。間に合わせというわけでなく、あれは最高の白身フライのひとつなのではないでしょうか。ヘットの風味、つまりマックのポテトの美味しさの源泉と同じ風味が猛烈に香ります。もうみんな慣れちゃってるからあまりなんとも思わないかもしれませんが、あれはかなり強烈ですし、それが他ではなかなか出会えないおいしさにつながっていると思います。時流に全く合っていない硬派なタルタルとの相性もバッチリですね。 最近どうも、世の中ではちょっとしたアジフライブームが来てる気がします。レアアジフライなどという《以下14字自主規制》も登場しています。魚料理のブームというのは珍しいものなので、歓迎したい気持ちもありますが、白身フライ派としてはますます肩身が狭くなっていく気もします。(阅读更多)