わいっしゅ:ご質問ありがとうございます。 「背景画」と「風景画」という言葉があります。いずれも、描く対象が人物描写よりも建築物や自然物の描写が多くを占める絵画ですが、「背景画」は、ゲームやアニメなどにおいて、物語の登場人物が前面に載る(立つ)ことを前提としています。この前提に立って、”背景をデザインすること”の最大の魅力は、『登場人物たちが演じる舞台を創ることができる』ことです。 読者や視聴者、プレイヤーが目にする完成された作品では、どうしてもカメラが追う登場人物に目が向きがちですが、それを見ているプレイヤーは実のところ背景画(あるいは3Dマップ)が創り出す世界に浸った状態で、つまり登場人物たちと世界観を共有した状態で、その人物たちの一挙一動を見せられています。登場人物とプレイヤーは背景画を介して繋がっていて、それによってようやくプレイヤーは登場人物に感情移入したり、反発したりできるわけです。 このように、「背景デザイン」の魅力は、登場人物とプレイヤーとを繋ぐ役割を担えるということです。「背景」をデザインすることは世界観を創るということであり、読者や視聴者、プレイヤーにその舞台における文化や時代感、その世界での常識を共有させることです。このため、背景デザイナーには現実世界における文化や風俗、歴史、科学などの知識が不可欠で、常に勉強・観察することが求められます。それが個々のデザイナーの個性となる部分でもあって、面白いところでもありますね。(阅读更多)