彩恵りり🧚♀️科学ライター✨おしごと募集中:人工衛星は秒速数kmという、極めて大きな速度で地球の周回軌道にあるよ。もし人工衛星に軌道調整用の推進剤の "空中給油" を行おうとするなら、対象となる人工衛星と軌道や速度を合わせる必要があり、これは結構大変だよ。少なくとも衝突事故は避けないといけない!スペースデブリを大量発生させるからね! 仮にこれができたとしても、どちらかと言えば人工衛星の電子機器の方が心配になるよ。ほとんど真空と言っていい地球周回軌道では、太陽風や宇宙線にモロに晒されてしまうので、放射線によって内部の電子機器や太陽電池は劣化していくので、仮に推進剤を後追いで補給しても、人工衛星そのものが機械的に壊れてしまうのにそう時間はかからないね。 特に、地表に最も近く、その分だけ安く打ち上げることができる低軌道については、短期間で落下するのは前提で運用されているところがあるよ。と、いうよりは、行儀よく順番に落下してくれる方がむしろマシとすら言えるね。既にStarlinkのような、今までの年間打ち上げ数を1回で稼ぐほどの大量の衛星を打ち上げることで通信エリアを拡大する仕組みの人工衛星は、まだ計画の初期段階の時点で宇宙望遠鏡の視野に入っているよ。宇宙望遠鏡ですら影響を受けるので、地上にある天文台はなおさら頭痛の種だね。 部品の劣化で "何もしていないのに壊れた" が全然あり得る人工衛星の業界では、無理に古い衛星の寿命を延ばすのではなく、むしろ役目を終えたら制御可能なうちにさっさと落としてしまう方がずっといいということになるね。壊れたら制御も何もないわけだからね。今のところ一部の国では落下させるのが義務化されそうな動きもあるものの、地球周回軌道の環境を守るには全ての国に義務を負わせないといけないわけだから、これはかなり頭の痛い政治的な問題だよ。 少し脱線したね。結局のところ、コスト的にも安全に制御できるうちに落下させる意味でも、古い衛星の寿命を延ばすよりかは新しい衛星を打ち上げた方がずっといいんだよね。ただし、古い衛星をちゃんと "掃除" する体制になっていればの話ではあるんだけど……(阅读更多)
栗田 光樹夫:技術的に可能で、すでに国際宇宙ステーション(ISS)では無人機(ATV)の輸送により実現しています。ISSや情報衛星(偵察衛星)は軌道を変更するために大量に燃料を消費するスラスター多用しています。ただ、多くの人工衛星はさほど燃料を使わない姿勢制御のみしか行いません。姿勢制御だけならモータを動かせば実現するので、太陽電池パネルにより稼働します。ただし、ISSやハッブル・スペース望遠鏡(HST)などは何度も補給や機能拡張のために別のロケットやスペースシャトルがドッキングしてます。したがって、質問者さんのアイデアは実現しています。電子部品も信頼性が高いものを用いれば耐用年数は長くなります。例えばHSTは33年以上稼働しており、ポケベルを今でも使っているようなもので、身の回りの電子機器より長寿命です。 人工衛星のコストは本体と打ち上げコストで決まります。運用コストも重要ですが、今回の質問には関係ないので無視します。打ち上げコストは50から100億円規模です。人工衛星本体の価格がこれより十分に高い場合、質問者さんのアイデアは真剣に考えても良いように思います(個人的見解です)。先の例のISSやHSTは非常に高価なためこれに該当します。ただ、通常の通信衛星、気象衛星などは高くても数百億円なので、燃料だけ運んで古い衛星の寿命を延ばすより新調したほうが経済的、ということになると思います。 1兆円のジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の運用期間は燃料の制限によりわずか10年であり、ぜひこのアイデアで寿命を延ばしてくれればと思います。ただ、そのように設計してないので、もはや無理でしょうね。。今後世界のロケット開発競争により打ち上げコストが下がっていくので、このアイデアが無人機同士でも実現し広く使われるようになると期待します。(阅读更多)